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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

偉大な建築家・磯崎新の追悼に、ストリートの住人たちが集結

2024.2.7

#MUSIC

人やカルチャーが交差する、広場やストリート

今回の追悼イベントの具体的な内容に目を向けよう。SkaaiとHUNGERを迎え、Skaaiと共にYouTubeチャンネル「ゲツマニぱん工場」を主宰するJohnが司会を務めたトークでは、アカペラであってもビートを感じさせる作品への両者の見解、配信時代のトレンドについて、ケツメイシやORANGE RANGEやマイケル・ジャクソンらポップスターを経由してのラップの初期衝動、今日のラッパーに求められる役割など、多彩な話題が飛び交った。

トークライブに参加したSkaai(左)とHUNGER(右)

HUNGER:役割が今後もっと重要になってくるのは確実。今日のイベントの状況を見てもわかるけど、この場に参加して、仲間をつくって、表現をする。それを自発的に選んで、音楽を通して本音で語り合う、ディスカッションする人がいることが大事だから。

John:ヒップホップって自分の声を持たせてくれる音楽だと思うんです。1990年代から路上のメディアと言われていたように、迫害されたりして不満を抱いていた人たちが、ヒップホップっていうフォーマットを通して世界に自分たちを知ってもらうことができた。

HUNGER:そしてミックスカルチャーなんだよね。ジャンルも混ざるし、人も混ざる。(普通に生きてたら)分かり合えなかったり、混ざり合うことのなかった人ともここなら分かり合える。

Skaai:「俺は出したいから出すぜ」っていう個人のエゴからスタートするものだと思ってます。でも、すでにヒップホップは世界の音楽市場でもっとも聴かれるジャンルになっていて、その役割が多角化してる。メジャーな音楽の「軽めのスパイスとしてラップを使いたい」なんて需要もあるわけで。ただのスパイスになる道具じゃないのは勿論のことだけど、その役割の広さを考えていく必要がある。

静かに熱を帯びるかれらのトークと同時進行して、「カッ!」というボードのトリック音が小気味よく響くスケートパークでは、大分におけるスケボー文化の先達である相原フランシスコ良和たちが子どもたちを指導しつつ、路上で遊んでいる。

大分と別府のあいだにあるパーク「田ノ浦ビーチT-wave」を運営し、大分スケートボード協会会長やスクール講師も務める相原は、2006年にブラジルから別府に移り住んだ日系ブラジル3世だ。彼は今回の広場やストリートの表現をどのようにとらえているだろうか?

相原フランシスコ良和
仮設されたスケートパーク

相模:ストリートカルチャーの未来がどう変わっていくか気になってます。自分は10代の終わりにブラジルから別府に来て、20代はスケボーを通して仲間をつくって、大分のローカルな一人になっていった感じ。でも、当時の大分では、スケボーやスケーターたちが社会から歓迎されてる雰囲気はありませんでした。

ところが数年前にオリンピックの正式種目になってから、スケボーやダンスにスポーツとしての価値を見出す人が増えて、ポジティブなイメージが持たれるようになった。そういう新しさと付き合うのも新鮮で楽しいし、今日の広場みたいにいろんなジャンルが共存するカオスな状況も好き。だから磯崎さん、高山さん、ナリトライダーさんたちがつくろうとしてる広場に興味があるんですよね。

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