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アユニ・Dが加入し、グループの雰囲気が変化(2016年)
―アユニ・Dが加入して現在まで続く6人体制になりましたが、アユニの第一印象はどうでしょう?
飯田:何もないけど可愛い、だから成長が楽しみだっていう。それが明確に見えた人でした。たしかオーディションの次の日には、渡辺さんは北海道(アユニの実家)に行ってたんじゃないかな。
それくらい渡辺さんの熱があったし、みんなも間違いないと思ってましたね。アイナとチッチとアユニが3人で歌った時のバランスのよさに衝撃を受けた記憶があります。それが一番印象的でした。
西澤:僕は正直、最初の頃のBiSHの雰囲気が怖くて、近寄りがたかったんですよ。だけどアユニさんが入ったことで「こんな無垢な子が入ってきて、どうしたらいいんだろう」みたいにみんなが戸惑って、そこからちょっとグループの形が変わっていった。
トゲトゲした感じから、少し近くに感じられるようになったというか。それくらいアユニさんが入ったことでグループの雰囲気に変化があったと思います。それまでのメンバーとは違う雰囲気の子だったので。
日比谷野音で見せた、ブレイクの兆し(2016年)

―BiSHがブレイクしていく兆しが見えたのはどの頃でしたか?
西澤:僕は日比谷野音(『BiSH Less than SEX TOUR FINAL’帝王切開’』)ですね。この日、当日までチケットが売り切れず結局ギリギリで売り切れた。で、その日のライブもよかったんですけれど、その後にYouTubeに公開した“オーケストラ”のライブ動画が一気に拡散していって。その盛り上がり方がこれまでとは違っていて、外に広がっていく感じがありました。
―僕も日比谷野音は行きましたけれど、なにか確信のようなものが見えた実感はありましたね。終わった後の楽屋挨拶で「絶対にもっともっと大きいところでやれる」って直接言ったのを覚えてます。でもメンバーは「あ、ありがとうございます」みたいな返事で、ブレイクしていくことへの自信がそこまでなさそうだった。
でも、ここで“オーケストラ”のような曲を出してきたということは、BiSHをもっとポピュラリティのあるグループにしていこうという目論見があって、それを可能にする曲がちょうどいいタイミングで揃ったのかなと思うんですが。どうですか?

飯田:僕もそう思います。
西澤:“オーケストラ”は最初“DEADMAN”のカップリングで出そうとしていましたからね。
飯田:それに対して「これはすごい曲だから、ちゃんとシングルとして出そう」と進言したのがavexの人たちだった。インディペンデントでやってきた渡辺さん、松隈さんの考えを、より売れるものとして機能させていった。そういう意味でもavexのスタッフはめちゃくちゃすごいと思いました。