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オカヤイヅミの「うちで飲みませんか?」

村田沙耶香と語る、自作の読まれ方。作家は、海外受容や身内の目に何を思う?

2024.12.4

#BOOK

作品が海外で読まれるということ

オカヤ:村田さんはもう、日本より海外での方が多く読まれているぐらいですよね。

村田:たぶんそんなことはないと思います(笑)。街の本屋さんで自分の本を発見するともちろんうれしいですが、基本的には「誰だろうこの人?」という感じだと思います。読んでくれている稀有な方がいるのだなあ、と実感がわくのは、海外でイベントをやって読者さんが来てくれて、サインしてるときくらいですね。あと、(自著を訳してくれた)翻訳家さんはだいたいその国にお住まいで、現地に行かないと会えないことが多いので、会えてお話できるのはとてもとても嬉しいです。

オカヤ:こないだ友達の漫画家が外国の漫画フェアに参加したら、漫画がアートの一環として位置付けられていて驚いたと話してました。漫画の場合はそういうふうに、国によってわりと位置付けが変わる感じがありますけど、文学はわりと世界共通じゃないですか?

村田:どうなのかな……。国によって違うと思いますが、文学を扱う出版社さんは文学だけを扱っていて、日本のように幅広く出版していないというお話をよく聞く気がします。漫画とは出版社さんが違うのかもしれませんね。よくわかってなくてすみません。

オカヤ:なるほど。

村田:ミステリーを扱う出版社さんや、ファンタジーを扱う出版社さんなど、いろいろあるとお聞きしたのですが、どの国でもそうなのかちゃんとわかっていないです。 

オカヤ:国によって受け取られ方も違ったりするんですか?

村田:少し前にトリノのブックフェアに参加したんですが、イタリアでは今、日本文学といえば「猫が出てきて、喫茶店が出てくる、ほっこりした話」というイメージがあって、表紙に猫がある本がたくさんあるんですよ、と書店さんを案内していただいました。現地の新聞の方からインタビューで「いま、つらいニュースが多い世の中で、あたたかみや癒しを求めて日本文学を手に取る人が多い中、村田さんが真逆のものを書くのには理由があるのでしょうか?」って質問されて、とてもびっくりしました。でもなんとなくうれしかったです(笑)。

オカヤ:そんな!

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