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Bicep(バイセップ)はここ数年のダンスシーンにとって最大のゲームチェンジャー
中でも注目なのが、北アイルランド・ベルファスト出身のBicepだ。まずこの映像をみてほしい。
これは彼らが出演した去年の『グラントンベリー(Glastonbury Festival)』の映像だが、数千人のオーディエンスがこのハウスというには遅いビートに熱狂しているのがわかるだろうか? Bicepの音楽は1990年代後半から2000年代前半に世界中を席巻したシリアスでエモーショナルなトランスの雰囲気をそのままにベースラインを抜いて、テンポを落としたサウンドなのだ。一体誰がこんなスタイルのダンスミュージックを想像しただろう。彼らの心に切り込むようなエモーショナルなシンセのリフはシンプルだが、パーティーの大音量で聴かされたら狂わずにはいられない。あるレビューで彼らの音楽はここ数年のダンスシーンにとって最大のゲームチェンジャーだと書かれていたが、本当にそうだと思う。1990年代のフロアに熱狂生み出したトランスとまったく同じメッセージをまるで別の形で伝えてくる、彼らもこの10年のUKダンスシーンの層の厚さと絶え間ない実験が生み出した成果と言っていいだろう。Bicepは去年からアリーナでのツアーを続けていて、世界中を熱狂させている。今年の4月にはゲストにROMYが出演した日もあった。DJセットでいいので来日してくれないだろうか。