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NEWS EVENT SPECIAL SERIES
「音楽×お笑い」の実験ノート(「深夜のハチミツ」連動企画)

センチネル×橋本泰河が対談。ネタ合わせみたいに、歌詞を合わせて一緒に作った楽曲

2024.8.20

#MUSIC

ハチミツ芸人8組がお笑い界のトップになるべく、話題になりそうなことに全力でチャレンジしていく芸人総合バラエティ『深夜のハチミツ!! Bee The TOP』通称『深夜のハチミツ』。数々の人気番組を輩出してきたフジテレビ深夜のお笑い番組の最新形だ。

ハチミツ芸人と新進気鋭のアーティストがそれぞれタッグを組み、「タオルをブンブンしたくなる曲」というテーマで楽曲を制作する「メジャーデビュー争奪戦!ハチフェス」が始動した。TikTokの再生数と、8月25日にお台場冒険王の特設ステージで行われるライブパフォーマンスへの観客投票をもっとも集めたユニットはソニーミュージックから正式にCDデビューすることができる。

ここでは8組による、「音楽×お笑い」の化学変化を記録するために対談連載を実施。今回は『ゴッドタン』で「今のバラエティで売れそうな芸人部門」1位に選ばれたセンチネルと、大阪、神戸を中心に活動するシンガーソングライターの橋本泰河に語ってもらった。

センチネルはライブの出囃子が1曲に絞れないほど音楽好き

ーこの企画に参加することが決まったときはどう思いましたか?

大誠(センチネル):どうするんだろうと思いました。楽器ができるわけでもないし、不安だなと。

トミサット(センチネル):ちゃんとミュージシャンの人とお仕事したり話したりしたこともなくて、まともなコミュニケーションが取れるのかとも思いました。

大誠:めっちゃ尖ってるやつきたらどうしようって。

トミサット:最初はそれが心配でしたね。

センチネル
1993年11月25日生まれ、埼玉県出身の大誠(たいせい)と1993年4月13日生まれ、東京都出身のトミサットからなるお笑いコンビ。太田プロダクション所属。2020年7月結成。21年に『第42回ABCお笑いグランプリ』最終予選進出。『キングオブコント』は22年から3年連続で準々決勝進出。『M-1グランプリ』23年は3回戦進出。太田プロライブ『月笑』23年度チャンピオン。2023年5月からは、『深夜のハチミツ』(フジテレビ系)に出演中。大誠は、ニッポン放送『土田晃之 日曜のへそ』(毎週日曜放送)の中継レポーターを担当している。

橋本:芸人さんと一緒に何かやるとなったら、面白い感じにしなくちゃいけないのかなと思っていたんです。集中して音楽をやるというよりも、コントっぽくするのかなとか。

トミサット:どんな塩梅なのかわからなかったよね。

橋本:でも、今回は真面目に音楽をやるということで、うれしかったです。

ー他の芸人さんもおしゃってましたが、「ミュージシャンは怖い」というイメージがあるんですね。

大誠:怖い可能性もあるなと思ってました。軽はずみな発言したらブチギレるんじゃないかって(笑)。不用意に他のバンド名とか出したら「そういうんじゃねえから」って言われて終わりみたいな。

トミサット:下手にボケたら怒られそうだし。

橋本:僕も芸人さんと話すのははじめてでした。

大誠:はじめて同士だから、偏見があったかもしれない。

トミサット:顔合わせのカラオケボックスでも牽制し合ってた(笑)。

橋本:でもめちゃくちゃ丁寧で、テレビで見るのと全然変わらなかったんですよ。すぐ慣れて、普通に接することができました。話しやすかったです。

大誠:僕らのYouTube動画とかをめっちゃ見てきてくれたんですよね。橋本くんからとっつきやすさを提示してくれたので、イメージしていたような怖い人じゃないとすぐに分かりました。顔合わせの前は、ベロンベロンに酔っ払って来る可能性もあると思ってたから。

橋本:一応社会人なので。

大誠:そうだね、しっかりしてるもんね(笑)。

ー橋本さんは普段どんなお笑いを見てますか?

橋本:『M-1グランプリ』はよく見ますし、最近はYouTubeとかTikTokでもいろんなコントとか劇場の動画の切り抜きが流れてくるんで、それをチラチラ見てます。

橋本泰河(はしもとたいが)
2002年生まれのシンガーソングライター。懐かしくも新しい「ネオノスタルジー」をコンセプトに作詞 / 作曲 / 編曲 / MV制作を行う。豊かな低音ボイスが特長。2020〜2022年、SEKAI NO OWARI 、Official髭男dism、ゆずのプロデュースを手がける保本真吾氏企画の新人アーティスト開発プロジェクト「Enjoy Music!」に参加。コンピレーションアルバム『Enjoy Music New Wave Generations Vol. l』でオリジナル曲「この夜が明けたら」を配信リリース。 2022年にブリッヂブックバンドを結成し2024年8月までバンド活動。ライブハウス太陽と⻁『悪魔の子 2022』オーディション優勝。 COMING KOBE2022出演。関⻄大学『K.U. ROCK FEVER2022』優勝。現在、ソロで精力的に楽曲やMV制作を行う。心の温まる音楽を楽しんでいただきたい。

ーセンチネルのお2人はどんな音楽を聴いていますか?

大誠:僕らは音楽が好きで、ライブの出囃子を決めきれなくて一時期は4曲持っていたくらいで。今はRHYMESTERさんの“SOMINSAI feat.PUNPEE”を使ってるんですけど、前はセンチメンタル・バスも使ってたし。

トミサット:w.o.d.の“楽園”と“1994”も使ってた。

大誠:空きっ腹に酒の“御乱心”もだね。

大誠のハイトーンとトミサットの早口は音楽向き

ーこのマッチングは希望通りでしたか?

橋本:最初は足腰げんき教室さんを第1希望にしました。

大誠:え、そうなんだ?

トミサット:衝撃の真実だよ。

大誠:センチネルとやりたかったみたいな顔してたのに!

左から大誠、トミサット、橋本泰河

橋本:正直に言った方がいいかなと思って(笑)。見た目のインパクトもあるし、音楽もやってらっしゃるみたいだからやりやすいのかなと。センチネルさんも上位ではあったので、実質1位です。

大誠:それじゃ誤魔化されないよ!

橋本:すいません(笑)。でも、センチネルさんの漫才の動画を見たときに、声がめっちゃいいなと思ったんです。大誠さんはハイトーンだし、トミサットさんは早口で。

トミサット:スキャットね。

大誠:あれをスキャットって呼ぶな! ただの早口だよ。

橋本:お2人ともすごく歌に向いてる声質だと思ったので、組めてよかったです。

「(橋本泰河は)天才だと思いました」(センチネル・大誠)

ー顔合わせの段階で橋本さんが曲のベースを作ってきていましたが、どういうイメージから発想したんですか?

橋本:センチネルさんのインタビュー動画を見て、模索しながら情熱を持って漫才に取り組まれているんだなと感じて、自分とも重なったんですね。その情熱から作っていった感じです。トミサットさんの話し方とかを見て、ラップしてもらいたいなってすぐに思いました。

大誠:でも、ラップの曲は作ったことないんでしょ?

橋本:はじめてですね。

トミサット:挑戦的だ。

ー歌詞のテーマを話し合うときに、大誠さんは「楽しいままでテッペンとりたい」って感じにしたいとおっしゃってました。

大誠:なんていうか、熱いだけで終わるのはもったいないと思ったんですよね。俺らがやるんだったら熱さを明るさで包み込んだほうがいいのかなと思った。橋本くんにそのイメージを伝えたら、すぐギターでアレンジしてくれました。

観てくれる人の応援 

スベる日も当然あんだぜ 

地元の友達の頑張れ家族の支え 

埼玉から鳴るファンファーレ 

お金ないは関係ないから 

根拠ない自信を持って今日も 

人前で出すよ大声

橋本:最初はサビもマイナーコードからはじまってたんですけど、「ハチミツの雰囲気にも合ってるから」と言ってもらって、今の明るい曲調になったんです。

トミサット:1時間もかからないくらいで曲を変えてたから、すごかったですよ。

橋本:お2人の意見をもらえたからです。

大誠:天才だと思いましたから。

トミサット:あの曲聴いた瞬間に「俺たち勝ったな」と思ったよね。この曲の良さがわからないリスナーは雑魚です。

大誠:なんでお前が嫌なミュージシャンの尖り方してんだよ!

ー橋本さんの曲にお2人のアイディアをどんどん入れ込んで完成させたんですね。

大誠:そうですね。ラップの歌詞の叩き台を僕らが送らせてもらって「好きにアレンジしてください」と伝えてたんです。そしたら、僕らは一言も書いてないのに<スベる日も当然ある>みたいな歌詞が戻ってきて。これどういうこと?

橋本:いやいや(笑)、2回目の話し合いでスベった日の苦しさについて聞けたので、入れたいなと思ったんですよ。その部分で韻も踏めたし、いい歌詞になったと思います。

トミサット:僕は<明日隕石が降るなら>っていう拙い歌詞を送ったんですけど、橋本くんは優しいんで「壮大な景色が見えました」ってコメントくれて(笑)。

大誠:ソムリエみたいな感想だ(笑)。

橋本:本当にいい歌詞だと思ったので、そのまま使いました。

トミサット:最高のチームだな。

漫才には主旋律がある

ー一緒に曲を作ってみて、ネタ作りとの共通点はありましたか? それとも全く別物でしたか?

トミサット:ネタ合わせしてるときに、相方の音がおかしいことがあるんですよ。今回歌の練習を一緒にさせてもらったときにも同じようなズレ方をしてたんで、共通するんだなと思いました。これ悪口ね。

大誠:うん、じっくり聞いてたけど、頭から最後まで俺の悪口だよな。

ーズレというのは、リズム的なことですか?

トミサット:長めのツッコミって、一番いいタイミングで入れないといけないから、その前にブレスしたり、1拍ズレちゃったりするとダメなんですよね。漫才には主旋律みたいなものがあって、そこからはみ出るときがあるんです。それって俺の個人的な違和感なのかなと思っていたんですけど、音楽に合わせるとやっぱりリズムがズレてるんだとわかりました。

大誠:漫才の主旋律?

トミサット:そう、漫才には主旋律があります。

大誠:ちょっと恥ずかしい! やめて!

トミサット:お前はドラムの役割だから。

大誠:俺は漫才のリズム隊なの!?

トミサット:そういった似ているところもあるけど、細かいところまで気遣わないといけないのは音楽の方だなと思います。

大誠:お笑いは「お笑いだから」で誤魔化せる部分もあるんですよね。音楽は、違和感があったら耳に入ってこないでしょうし。

トミサット:音楽には「絶対に外しちゃいけないところ」がある気がする。

橋本:ライブだとその場の雰囲気に合わせてやったりしますけど、基礎の部分に関しては、漫才よりもガッチリ固める部分が多いのかもしれないです。

トミサット:でも、歌の練習はめちゃくちゃ楽しかったんですよ。面白いネタができたときは2人でニヤニヤして、客前でやってみないとわからないって感じなんですけど、音楽は練習の時点で開放感がありますね。

大誠:「ラストに合わせましょう」って言ってから7回くらい歌ったもんな(笑)。

ーお笑いはお客さんのリアクションがあってはじめて成立するというか。

大誠:そうかもしれないです。うちはトミサットがネタを作ってるんですけど、面白いと思ってるネタでもウケなかったらボツにせざるをえないでしょうし。

トミサット:若手の漫才とか、技術的に全くお客さんに伝わってないことが多いんですけど、音楽は完成する前の時点でこんなに楽しいのかと。

大誠:橋本くんの曲がいいっていうのは大きいけどね。

橋本:(噛み締めるように)一緒に作った曲ですから。

大誠:10歳ぐらい離れているとは思えない落ち着きだよね。

トミサット:渡哲也さんみたいなトーンで言ったよ。

たとえるなら、芸人の泥臭さを煮込んだ「泥煮込み」

ー橋本さんは芸人さんとの作業で何か感じるものはありましたか?

橋本:タイミングというか、リズム感がすごいなと思いました。トミサットさんはすぐにラップできてましたし、大誠さんのハモりもすぐ合わせてくれたので。いつも漫才をされているから出来るのかなと。

トミサット:橋本くんは、とにかく音楽が好きなんですよ。

大誠:たぶん、アーティストさんの中でも特別音楽愛があるんじゃないですか? 僕らもお笑い好きですけど、敵わないです。

橋本:みなさんと同じような感じだと思いますけどね。

大誠:だって、休みの日もずっと音楽作ってるんでしょ?

トミサット:サツマカワRPGさんはネタ作りのために24時間劇場に寝泊まりしたりするんですけど、そのレベルですよ。

橋本:24時間寝泊まりは無理です(笑)。

ー現在曲の一部分が公開されていますが、聴きどころを教えてください。

センチネル×橋本泰河 「つって」 🏆メジャーデビュー争奪戦”ハチフェス”🏆 8月25日(日)12:30開演 #深夜のハチミツ!! #ハチフェス #センチネル #橋本泰河 #つって

大誠:サビに、歌ったことがないような難しいメロディが出てくるんですよ。すごく練習したんで、そこを聴いてほしいです。あと、シンプルに熱くて泥臭い曲をやってるのは僕らだけじゃないかなと思うんです。橋本くんと僕らの泥臭さをそのまま形にできてると思うので。

橋本:歌詞にもお2人が模索しながら漫才やってきたことを入れてるので、等身大な曲になってると思います。

トミサット:例えるなら、泥煮込みです。

大誠:良くない例えだな!

ーライバルになりそうなペアはいますか?

大誠:足腰げんき教室はラッパーの方と組んでいるので気になりますね。はーたみんがめっちゃボケると思うんですよ。ラップはボケやすいと思うし。橋本くんの1位指名でもありますからね。

トミサット:初恋の人には負けたくない、みたいな感じだ(笑)。

橋本:バンドの方々が芸人さんとどう関わるのかが気になりますね。

大誠:あと生ファラオさんもハチミツハウスで一緒に住んでいるので、気になりますね。2人ともロック系というか熱いので、ライバル視してます。

ー見事に優勝したとして、その後やってみたいことはありますか?

トミサット:まずは楽曲の権利の話をしたいですね。

大誠:今する話じゃないだろ!

トミサット:絶対ヒットすると思うんで、フェスとか音楽ライブに出たいです。いろんな場所でやりたい。

大誠:今までバラエティからいろんな曲が生まれていますけど、その中で一番売れたいですね。あと、MV撮りたい。

トミサット:すっごくかっこいいの撮りたい! ヘリポートで歌ってるような。

大誠:いろんなことしたいから、その際には橋本くんは神戸の実家を出てもらって。

橋本:わかりました、上京します!

<ライブ情報>

日時:8月25日(日) 時間は後日発表
場所:お台場冒険王ISLAND♡STADIUMでの『ハチフェス』ステージにて
https://www.fujitv.co.jp/bohkenoh2024

『深夜のハチミツ!! Bee the top』 ※関東ローカル

≪放送日時≫
8月18日(日)24時30分~24時58分

≪出演≫
<ハチミツ芸人>
足腰げんき教室(うちだすぺしゃるはーたみん、くろさわ)
9番街レトロ(京極風斗、なかむら☆しゅん)
ゼロカラン(ワキ、たいが)
センチネル(大誠、トミサット)
千年ぶり(時央記念日、みのる)
生ファラオ(石川、東 武志)
マリーマリー(タコス、えびちゃん)
ミスター大冒険。(りょうせい、井福一本道)

<アーティスト>
ALMONDot(アーモンドット)
彼岸
弁天ランド
橋本泰河
高村風太
vöv(ブイオーブイ)
Sohbana(そうばな)
ウマシカて

<進行>
小室瑛莉子(フジテレビアナウンサー)

≪スタッフ≫
チーフプロデューサー:五十嵐 元
演出・ディレクター:岡 耕平、城山海周、福島悠人、原 凜一郎、飛田将斗
制作:フジテレビバラエティ制作センター

【公式HP】https://www.fujitv.co.jp/8mitsu/
【公式X】@8mitsu_fujitv
【公式Instagram】@8mitsu_fujitv
【公式TikTok】@8mitsu_fujitv

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