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「音楽×お笑い」の実験ノート(「深夜のハチミツ」連動企画)

9番街レトロ×Sohbana対談。初音ミクとフジテレビ深夜は、平成を代表するカルチャー

2024.8.22

#MUSIC

ハチミツ芸人8組がお笑い界のトップになるべく、話題になりそうなことに全力でチャレンジしていく芸人総合バラエティ『深夜のハチミツ!! Bee The TOP』通称『深夜のハチミツ』。数々の人気番組を輩出してきたフジテレビ深夜のお笑い番組の最新形だ。

ハチミツ芸人と新進気鋭のアーティストがそれぞれタッグを組み、「タオルをブンブンしたくなる曲」というテーマで楽曲を制作する「メジャーデビュー争奪戦!ハチフェス」が始動した。TikTokの再生数と、8月25日に『お台場冒険王』の特設ステージで行われるライブパフォーマンスへの観客投票をもっとも集めたユニットはソニーミュージックから正式にCDデビューすることができる。

ここでは8組による、「音楽×お笑い」の化学変化を記録するために対談連載を実施。今回は『ハチミツ』のエースである9番街レトロと、MAISONdesの住人でもあるボカロPの Sohbanaに語ってもらった。

ボカロPにも『M-1』みたいな大会がある

ーこの企画に参加することが決まったときはどう思いましたか?

京極(9番街レトロ):売れたなって思いました。曲を作る機会なんてそうそうないですからね。

なかむら(9番街レトロ):僕は不安でした。できないこと、したことないことで初対面のSohbanaさんに胸借りるっていう、不安になる要素ばっかりですから。ボカロもよく知らなくて。

京極:僕はボカロを通ってきたので親近感ありますけど、ボカロPと呼ばれる方に会うのははじめてだったので、勝手に気難しいイメージは持ってました。でも、会ったら全然大丈夫でしたね。

なかむら:それは僕もです。会ったら「大丈夫かも」って思いました。歌えるかは今も不安ですけど。

9番街レトロ(きゅうばんがいれとろ)
1995年8月9日生まれ、大阪府出身の京極風斗(きょうごくかざと)と1994年1月24日生まれ、大阪府出身のなかむら☆しゅん(なかむらしゅん)からなる吉本興業所属のお笑いコンビ。2019年4月1日に9番街レトロを結成。神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動中。『深夜のハチミツ』『ネタパレ』(共にフジテレビ系)といった番組に出演している。2024年7月にはナイチンゲールダンスとの冠番組『ナイチン街レトロ』(テレビ朝日系)がスタート。

Sohbana:ボカロPってやっぱりそういうイメージがあるんですよね。そんな中でみんなが横並びでやっている状況なので、そこから抜け駆けできるチャンスかなと思いました。これを機に何か違う展開があるかもしれないという期待もありますね。

ー顔合わせの映像を見て思いましたが、Sohbanaさんはボカロカルチャーを非常に俯瞰的に捉えていますよね。

Sohbana:音楽的にも人としても閉じていたくないと思っていて。まだまだ広まっていない文化だと思うので、こういう企画をきっかけに今までとまた違った形でボカロが広まってくれたらいいなと。おこがましい話なんですけど、ボカロにも『M-1』みたいな大会があるんですよ。ネット上でファンの動向に目を向けつつ、各々の振る舞いを気にしているという状況で、ゲームとしては芸人さんに近いと勝手に思ってたんです。

『ボカコレ2022秋TOP100』にて11位

京極:昔からそうかもしれないですけど、ファンがスピーカーになるという点では似てるかな。最近はお笑いもネットと連動してきてるし、漫才を見る層の人らにもネットが浸透して、ボカロP的な状況と近くなってるのかもしれない。

なかむら:僕はそこらへんのこと全然わかんないんですけど、Sohbanaさんはずっと腰低くいてくださるんで、なんとか2人の間に存在できてます。

Sohbana:2人よりも年下なのもありますけど、業種は違うけど芸歴の差があるので。こだわりや覚悟の違いを感じるので、勉強させてもらってます。ボカロPとしても成長できてる感じがしますね。

フジテレビの深夜バラエティと初音ミクは平成を代表するカルチャー

ー初顔合わせの時、曲調や歌詞の話し合いの前に、「(初音)ミクちゃんはいくらでもスケジュール切れるし、紅白でもなんでも稼働できる」ともう優勝後の展開について話していたのが印象的でした。

京極:このチームだけ、ミュージシャンが歌わないんですよね。ボカロPだし、初音ミクとやることになるはずだから、目立てるだろうなというのはまず思いました。単純にSohbanaさんの曲調が好きなのももちろんありますけど、勝てそうという意味でも選ばしてもらいました。今回はソニーさんも絡んでいるので、その威を借りれば正式に芸人が初音ミクと一緒にやれるだろうと。

Sohbana:初音ミクは、数字的には全然『紅白(NHK紅白歌合戦)』に出られると思うんです。ボカロ界隈では「いつ出るんだ」と言われている状態だけど、出れない。でも、わかる気もするんですよね。何かの力を借りて初出場でいいのか、という論点はあるけど、その方が近道だとは思います。「ボカロってなに?」みたいな特集はいっぱい見るようになりましたけど、その先が伝わってない感じもしますし。

Sohbana(そうばな)
1997年生まれ。2017年の初投稿から独学で成長を続け、賞レース『ボカコレ』上位入賞、『プロジェクトセカイ』書き下ろし等を果たす。こんな現実ですが頑張りましょう系の歌詞が持ち味。作家としても活動し、MAISONdes “トラエノヒメ“(2023)、中川翔子“65535”(2023)、“PEAKY”(2024)の作詞作曲 / 編曲を担当する。京都大学教育学部卒。

京極:フジテレビの深夜バラエティと初音ミクって、どっちも平成を代表するものだと思うんですよ。でも、平成では共存できなかった。それがそろそろ綻び出すというか、境界がべにゃべにゃになってるんで。今回の曲が、どんな抵抗もなく一緒にやれるようになるきっかけになれば最高ですね。

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