新作ダンス作品『ダンス・フォー・ボウイ(原題:SUBJECT TO CHANGE – A Dance for David Bowie)』が、2029年春に東京で上演される。
同作は、デヴィッド・ボウイから着想を得たダンス作品。ひとつの姿にとどまらず、変わり続けることで新しい表現を生み出してきたボウイの姿勢を手がかりに、変身や再生、自己更新というテーマをダンスとして立ち上げる。音楽には、ボウイの代表的楽曲と本人のオリジナルボーカルを使用。世界各地で録音する民族音楽に根ざしたコーラスでアレンジし、本人の歌声と重ね合わせるという。さらに、ボーカリストのマリア・アルナルの歌声も交わり、ボウイのレガシーが時代や国境を越え、異なる声へと受け渡されていくような音楽世界を作り上げる。


演出と振付は、三島由紀夫の小説を原作とする舞台『金閣寺』などを手がけたマルコス・モラウが担当。Bunkamura、ロンドンのサドラーズ・ウェルズ、モラウが設立したラ・ヴェロナルの3者が国際共同制作を行う。また、2024年のDanza&Danza賞に選ばれた『Notte Morricone』でタッグを組んだアレックス・レーザー・ヴァティシェとベン・メールヴァイン(OZCUR)による作曲、シルヴィア・ドゥラニョーによる衣裳、マックス・グレンツェルによる舞台美術も同作に参加する。
世界初演は2028年春にルクセンブルク市立劇場で行われ、その後ヨーロッパ各地を巡り、2028年秋にロンドンで英国初演。2029年春に東京でアジア初演を迎える予定だ。
開催決定に寄せて、モラウと主催者、企画者からのコメントが公開された。
演出家:マルコス・モラウ コメント
デヴィッド・ボウイは、いわば“芸術的な転生”を繰り返したアーティストでした。
彼はそのキャリアを通じて、次々と新たなペルソナを生み出し、次の存在が生まれるために、それまでの自分を自ら終わらせていきました。ジギー・スターダスト(Ziggy Stardust)として現れ、その存在を意図的に終わらせ、アラジン・セイン(Aladdin Sane)として再び姿を現す。ハロウィン・ジャック(Halloween Jack)として生き、やがてシン・ホワイト・デューク(Thin White Duke)へと変貌する。ペルソナが変わるたびに、それまでの存在は自ら消えていきました。そして最後の変容が『ブラックスター(Blackstar)』です。ボウイは、自らの死さえも作品そのものの一部へと変えました。『ダンス・フォー・ボウイ』は、この“転生”のサイクルそのものを題材とする作品です。死と再生を何度も繰り返すことによって、生き続けていく。その現象そのものを描きます。
ボウイがその芸術人生を通して繰り返してきた創造と再創造に、私なりの方法で、ダンスを通して応答する新たな作品を生み出せることを楽しみにしています。ボウイが生涯を通して実践してきたそのサイクルを、今度は音と身体によって、舞台上でリアルタイムに立ち上げていく。私自身にとっても大きなインスピレーションであり続けるアーティストから着想を得て、新たな作品を創作できることを、大変光栄に思います。©下村一喜
主催者・企画者 コメント
アリスター・スポルディング CBE(サドラーズ・ウェルズ 芸術監督兼共同CEO)
私たちの次なる大規模な国際共同制作が、先見性に満ちたアーティスト、デヴィッド・ボウイから着想を得た作品となることを、本日こうして共同で発表できることを大変嬉しく思います。
真のアイコンであったボウイの芸術は、常に境界を越えていました。音楽、ファッション、映画、パフォーマンスなど、さまざまな分野を横断し、それぞれに消えることのない大きな影響を残しています。彼はまさに、世界を見据え、世界に届く表現を生み出したアーティストでした。だからこそ、この作品の中心に“国際性”があることは、ごく自然なことだと感じています。
卓越したスペインのアーティストであり振付家であるマルコス・モラウ、そしてBunkamuraの皆さんとともに、ボウイがその創作活動の中で探求してきた多様な芸術表現に応答する新たなダンス作品を生み出し、それを世界へ届けられることを、とても楽しみにしています。嶋田創(東急文化村 代表取締役社長)
このたび、サドラーズ・ウェルズ、ラ・ヴェロナルとともに、新たな国際共同制作に取り組めることを大変嬉しく思います。
長年にわたり国内外の優れたアーティストや文化施設との協働を重ねてきたBunkamuraにとって、今回のプロジェクトは、これまで私たちが培ってきたネットワークをさらに発展させる大切な機会でもあります。世界各地のパートナーとともに作品を創り、育て、より多くの皆様にお届けしていくことを通じて、今後も文化・芸術の新たな可能性を広げてまいりたいと考えています。本プロジェクトが多くの皆様に親しまれ、国内外の文化交流のさらなる発展につながることを心より願っております。高野泰樹(東急文化村 企画・チーフプロデューサー)
私たちBunkamuraが、この企画についてマルコスと話し始めてから、3年近くになります。対話を重ねる中で、彼の創作に大きな影響を与えてきた存在として、繰り返し名前が挙がったのが、前作『金閣寺』の三島由紀夫と、今回のデヴィッド・ボウイでした。マルコスとともに温めてきたこの構想は、サドラーズ・ウェルズの共感を得て、国際共同制作へと発展しました。ボウイは、音楽だけでなく、スタイルや人格までも表現の一部として、自らを何度もつくり変えてきた人です。ダンスを起点に、演劇、音楽、美術、ファッションを横断しながら独自の舞台世界をつくるマルコスが、ボウイに強く惹かれてきたことは、必然のことのように思います。彼がボウイから何を受け取り、それをどのような身体と舞台に変えていくのか、とても楽しみにしています。サドラーズ・ウェルズというこれ以上ないパートナーとともに、ボウイの故郷ロンドンを重要な制作拠点のひとつとして、この作品を世界へ送り出していきます。一度きりの話題作ではなく、さまざまな国や文化の中で多くの観客と出会い、長く愛される作品に育てていくことができればと思っています。
『ダンス・フォー・ボウイ』

原題:A Bunkamura, Sadler’s Wells and La Veronal production
SUBJECT TO CHANGE – A Dance for David Bowie
演出・振付:マルコス・モラウ
日程:2029年春
企画・制作:Bunkamura・Sadler’s Wells・La Veronal
公演に関するお問合せ:Bunkamura 03-3477-3244(10:00~18:00)
※詳細は決定次第発表します。
