INDEX
お前はお前らしく生きていくしかない
古舘:さっきの話に戻っちゃいますけど、やっぱり一郎さんって、常に真逆の人なんです。最初に出会ったとき、僕は若くしてメジャーデビューしてワーッて盛り上がって、周りも「すごいね」って言ってくれてたんですよ。でも、一郎さんだけはまったく声をかけてくれなくて、見向きもしてくれなかった。そのあとThe SALOVERSが終わって、僕の価値みたいなものがドーンと急落してなにもない焼け野原状態になった時に、一郎さんが現れて「お前は行けるぞ」って言ってくれたんです。だから、人の流れとは真逆を行く人なんですよね。そういう人に「調子乗んなよ」って厳しく言われると、逆に嬉しくなっちゃうというか。どこかでプロレスみたいな関係性をずっと続けたい自分もいるんです。そこまで僕はやり返せてないんですけど(笑)。
山口:古くんがすごい有名になって、「誰に救われましたか?」って番組とかで聞かれたとするじゃん。絶対に俺の名前あげないと思う(笑)。
古舘:はい、それで「あいつ変わっちまったな」って言わせたいんですよ(笑)。一郎さんの心の中では、その「変わっちまったな」が喜びでもあるんじゃないかって思ってるんです。僕が「一郎さんのおかげでこうなれました」って報告に行ったら、絶対嫌がりますよね。
山口:今日話してて思ったのは、お前はお前らしく生きていくしかないんだなってこと。俺がなに言っても結局お前は頑固だから、自分の道を行ったらいいんじゃない。

古舘:カトマンズに行って、本当にそう思えるようになりました。ありがとうございます。