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歌詞は、鼻歌を歌いながら自然に出てくる
―もとの日本語詞は上原さんが書かれたわけですが、どうですか、歌詞を書くという行為は。
上原:今までに5曲くらい書きましたが、誰かに書けと言われて書いたわけではなく、自分が曲を書くなかで自然に言葉が聴こえてきたものなんです。自然な流れでしか書かないし、書けないですね。
―メロディが言葉を呼ぶ、みたいな。
上原:そう。曲ありきで、自分が鼻歌みたいに歌いながら言葉が出てきたときだけそれを書いています。
―それは楽しい作業ですか?
上原:楽しいけど、誰かに歌ってもらって初めて完成する感じです。自分で歌ってみても全然ぴんとこないので。
―でも、一回歌ってはみるんですよね。
上原:歌ってみますね。でも、全然自分が思っているイメージとは違うなって必ず思うから。誰かに歌ってもらわないことには、いいのかどうかわからないです。
―自分で歌って録音しようとは思いませんか?
上原:全然思わないです。だって素人のカラオケみたいなレベルですから。
―でも、歌って上手い下手じゃなくて、その人なりの味だったりで成立することもあるわけですし。
上原:いやいや、それにしたって最低限のラインがあるじゃないですか(笑)。自分がミュージシャンとしてそこをクリアできていないことはわかるから。味になるレベルですらないという判断です。

―誰かに歌を聴かせたことはないんですか?
上原:矢野さんとやった曲を矢野さんの真似して歌うっていうのを、スタッフの前でやったことはあります(笑)。
―はははは。歌うことが好きではあるんですよね?
上原:好きですよ。でもシャワー浴びながら鼻歌を歌うのと人前で歌うのとでは意味が全然違うじゃないですか。私はバスルームシンガーでいいです。
―子供の頃はどうでした? 歌というものに親しんではいたんですか?
上原:よく自作の歌を作って、歌っていましたね。子供の頃ってみんなやるじゃないですか。それがこう、だんだんと羞恥心が芽生えるにつれてやらなくなっていくわけですけど。でも子供の頃はいろんなところを歌いながら歩いていました。リスナーとしても歌がある曲を聴くのが好きで、ずっと歌ものを聴いてきたところがあります。