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DIY=自立した個が連帯するためのマインド

かねてから、どうしてDIM(Do It Myself)じゃないのだろう、と疑問だった。DIY(Do it Yourself)だと、自分でやってみる、というよりは「自分でやれ」「あなたがやってみなさい」である。そう言われているのが私なのだとしたら、言っているのは誰なのだろうか。
けれどその疑問が鑑賞後にはスッと解消した気がする。とかく、自分でやってみるという気高い精神はすぐに忘れられてしまいがちである。やってもらって当たり前、専門家には敵わない、社会の一員として経済を回すことで手一杯……あらゆる物事において、自分でやらない理由の方がたくさん見つかりそうだ。だからこそ、たまにはこうして誰かにお手本を見せてもらって「さああなたも、自分で」と背中を叩いてほしい。Do It MyselfではなくYourself、この言葉は独り言ではなく、周囲とお互いに声掛け合うためのものなのである。DIYとはきっと、そうやってたくましく自立した個が連帯するためのマインドなのだ。
問題解決のための創意工夫は、辛く面倒くさいが、おそらくそれ以上のよろこびに満ちている。本展で出会った生き生きとしたDIY作品たちはそう教えてくれた。私たちのツールボックスには想像および創造力が詰まっていて、自分にも、思っているよりいろんなことが出来るのかもしれない。
『つくるよろこび 生きるためのDIY』
会期:2025年7月24日(木)〜10月8日(水)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C /休室日:月曜日、9月16日(火)
※ただし、8月11日(月・祝)、9月15日(月・祝)、9月22日(月)は開室/開室時間を9:30〜17:30、金曜日は9:30〜20:00 *入室は閉室の30分前まで
観覧料:一般 1,100円 / 大学生・専門学校生 700円 / 65歳以上 800円 / 18歳以下、高校生以下無料
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:大和日英基金