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作品が問いかける原因と結果の不可分性
3時間35分という旅路の果てに、言葉を見失うのも長尺映画の醍醐味。いくつものテーマが重層的に積み重なった本作を読み解くヒントは、コーベットの過去作にある。少年時代の境遇がファシズムへの萌芽となる『シークレット・オブ・モンスター』。銃乱射事件を生き延びた少女が時代の歌姫に祀り上げられる『ポップスター』。アメリカと移民、ユダヤ人とイスラエル、アーティストと創造物…これらのモチーフが並ぶ『ブルータリスト』もまた原因と結果の不可分性を描いている。
だが、優れた芸術家は大衆が望む答えを口に出すことはない（面白いことに同時期公開の『名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN』も同じテーマだ）。「大事なのは到達点だ。旅路ではない」という台詞が指すように、私たち観客は『ブルータリスト』という巨大建築物から、それぞれの感動を見出すことができるだろう。
『ブルータリスト』
監督・共同脚本・製作:ブラディ・コーベット/共同脚本:モナ・ファストヴォールド
出演:エイドリアン・ブロディ、フェリシティ・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ジョー・アルウィン、ラフィー・キャシディ
2024 年/アメリカ、イギリス、ハンガリー/ビスタサイズ/215 分/カラー/英語、ハンガリー語、イタリア語、ヘブライ語、イディッシュ語/5.1ch/日本語字幕翻訳:松浦美奈/原題『THE BRUTALIST』/配給:パルコ ユニバーサル映画／映倫区分：R-15＋
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公式サイト：https://www.universalpictures.jp/micro/the-brutalist
