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TESTSETの4人が集った数奇な運命。LEO今井&永井聖一の2010年代の活動を振り返る

2024.11.13

TESTSET『EP2 TSTST』

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砂原良徳、LEO今井、白根賢一、永井聖一によるTESTSETがネクストフェイズに突入した。10月20日(日)にZepp Shinjukuで行われたワンマンライブでは、テクノ、ニューウェイブ、ファンク、ロックがハイブリッドされた強靭でポップなサウンドと、クオリティーの高い映像が組み合わさり、「ユニット」ではなく、あくまで「バンド」として、熱量の高いステージを展開したのがとても印象的だった。

今回、TESTSETの現在地に迫るべく、LEO今井と永井聖一へのインタビューを実施。LEOは2006年に日本での活動を開始し、2008年に『Fix Neon』でメジャーデビュー。永井は同時期に相対性理論のギタリストとして活動を開始し、2007年に自主制作音源の『シフォン主義』を発表。同世代で、同時期に日本の音楽シーンで活動をはじめながら、それぞれの道を追求してきた二人がやがて同じバンドで活動するようになったのは偶然の巡り合わせか、それとも必然の帰結なのか。

なお、この二人の組み合わせでTESTSETの取材が行われるのは今回が初。最新作『EP2 TSTST』の話を聞くとともに、お互いのこれまでのキャリアも振り返ってもらった。

左から:永井聖一、LEO今井
TESTSET『EP2 TSTST』を聴く(Apple Musicほか音楽サービスで聴く

KIMONOS、相対性理論など、両者の活動が合流するに至るTHE BEATNIKSという伏線

ー今年からライブでの立ち位置が変わって、以前はLEOさんと砂原さんがステージの中央にいましたが、現在はLEOさんと永井さんが中央にいますね。

LEO:そのアイデアを言い出したのは砂原さんです。最初は「なんで? いまさら?」と思ったんですけど、実際にやってみて、正面から四人が並んでいる絵を客観的に見ると、やっぱり歌も歌うし、動きも多い我々二人がセンターにいると、よりバンド感が増すんですよね。

永井:白根さん、まりんさん(砂原の愛称)のインタビューを読むと、「2人(LEOと永井)は正反対だから、そのコントラストが面白いと思って真ん中にした」という意図もあるらしいです。自分たちからすると全然わからないですけど(笑)。まあ、気持ち的にはこれまでと変わらないです。

LEO:永井くんはセンターに来てから演奏中にこれまでより激しく首を振ってる気がするんですよ。だから、いいことじゃないですか。

永井:オルタナティブで汗くさいバンドもすごく好きなので、そういう要素をTESTSETで出しても全然大丈夫かなと思ってます。

TESTSET(テストセット) / Photo by Daiki Miura
『FUJI ROCK FESTIVAL ‘21』にMETAFIVEの特別編成として出演した砂原良徳とLEO今井が、GREAT3の白根賢一(Dr)と相対性理論の永井聖一(Gr)を迎え、グループ名を新たにTESTSET(テストセット)と冠してライブ活動を開始。2023年7月、1stアルバム『1STST』をリリース。2024年10月9日に『EP2 TSTST』を配信した。

ー実際お二人は世代的にも近くて、キャリアの本格的なスタートも2000年代半ばの近しい時期だと思うんですけど、当時から交流があったのでしょうか?

LEO:ちゃんとした交流はまったくなかったけど、スタジオで会ったことはありました。そのときすごくニコニコしてて、いいやつだなあとはずっと思ってて。

永井:僕は(LEOの)ライブを観に行ったことがあるんだけど、そのときはちゃんと挨拶はできなくて。だからその十数年前にちょっと顔を合わせたときから、一気にTHE BEATNIKS(※1)とLEO IMAIバンドで共演したときに飛ぶんですよね。(高橋)幸宏さんを中心に、いろんなプロジェクトが動いていた貴重な時代に『フジオロックフェスティバル』(※2)っていうのがあって、そこで久しぶりにちゃんと会ったのかな。

LEO:その打ち上げでEntombed(スウェーデンのデスメタルバンド)の話とかで盛り上がって、「やっぱりいいやつだ、第一印象は間違ってなかった」と思いました。

※1:1981年に結成された高橋幸宏と鈴木慶一によるユニット。2018年発表のアルバム『EXITENTIALIST A XIE XIE』には、砂原良徳、小山田圭吾、LEO今井、ゴンドウトモヒコといったMETAFIVEの面々が多数参加。永井聖一は同作のリリース直後、2018年5月に開催されたライブ『THE BEATNIKS Live 2018 “ビートニクスがやってくる! シェ! シェ! シェ!”』にてライブメンバーとして初参加。同ライブには砂原、白根賢一も参加しており、2019年にライブアルバム『NIGHT OF THE BEAT GENERATION』としてリリースされた。

※2:赤塚不二夫の没後10周年に合わせ、2018年8月に開催された音楽と落語の融合イベント。永井は砂原、白根とともにTHE BEATNIKSのバンドメンバーとして出演、LEO今井も白根をドラマーとする自らのバンド「LEO IMAI」で出演した。

ー当時のお互いの活動に対する印象を教えてください。

永井:特にKIMONOS(※)の“Mogura”が大好きで、こういうユニークでかっこいいことができるのはLEOくんだけだなと思いながら聴いていました。

常に追いかけていたわけではないにしろ、METAFIVEも含め、活動の様子が普通に耳に入ってくるというか、自分が聴いていいなと思うことをやっている人だなっていう印象ですね。大きな括りでロックをやっている同世代の人でも、情報が右から左に抜けていく人はいっぱいいるわけで、でもLEOくんの場合はそうではなかった。

※:2010年に結成された向井秀徳(ZAZEN BOYS)とLEO今井によるプロジェクト

KIMONOS『KIMONOS』(2010年)収録曲

LEO:私は相対性理論の『シフォン主義』(2007年)をよく聴いていたんですよ。リリースされた当時からすげえなと思って、特にギターが印象的でした。アンディ・サマーズ(The Police)みたいだなって。で、実際にスタジオで会ったらめっちゃナイスガイで、すごく好きになりました。その十数年後に一緒にバンドをやっているのは奇跡というか、運命ですね(笑)。

永井:そういうことってあるよね。自分じゃコントロールできない運命は絶対に存在する。だってあの二人(砂原と白根)も同時期に活動しているけど、全然違うフィールドだったじゃないですか。だからTESTSETってすごく不思議な組み合わせというか、運命的な組み合わせというか、これまでのことを思うと、結構ドラマチックだとは思います。

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