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バンド・水平線の田嶋と安東。ライバル関係の2人のフロントマンが生む、魅惑の楽曲

2025.7.17

水平線『たまらないね!』

#PR #MUSIC

<たまらないね この時間だけは><頭の中で踊り出すメロディ><流れる日々に花を>――そんなリリカルなフレーズが耳に心地よく響く、水平線の新曲“たまらないね!”は、ドラマ『晩酌の流儀4~夏編~』(テレビ東京系)のオープニング曲として書き下ろされた一曲だ。

京都発の4人組ロックバンド、水平線。2019年にリリースした1st demo音源『ブルー・アワー』で、早くもHOLDAY! RECORDSが取り扱いを開始するなど、関西のインディーズシーンで徐々に注目を集めてきた彼らは、コロナ禍を経た2024年の3月にリリースした1stアルバム『NEW HORIZON』、そして2025年2月にリリースしたEP『Howling』で、さらなる人気を獲得した期待の若手ロックバンド。2025年の『SOMMER SONIC』や『SWEET LOVE SHOWER』への出演も決定し、その人気は全国に広がろうとしている。

はっぴぃえんどを筆頭とする日本のフォークロック的な情感と、OasisをはじめとするUKロック的なギターサウンド。さらには、同じ京都発のロックバンドの大先輩であるくるりのような叙情性を湛えた日本語詞。しかし、そのどれとも異なる「水平線らしさ」を醸し出すこのバンドの音楽の特徴は、田嶋太一と安東瑞登という2人のギターボーカルが、それぞれ作詞作曲を行い歌うことにある。

聴く人の心に情景を浮かび上がらせる「水平線らしさ」を大事にしつつも、ソングライターとしては、実はかなりのライバル関係にあるという2人のフロントマン、田嶋と安東。その彼らに、それぞれの音楽的なルーツから、バンド結成後のストーリー、程なくして到来したコロナ禍、その後の躍進、さらには新曲“たまらないね!”で感じたバンドのさらなる可能性についてまで、じっくり話してもらった。

Oasisに影響を受けた田嶋と嵐が好きな安東。2人が作曲する4人組

プロフィールには、「京都発の4人組ロックバンド」とありますが、そもそもは大学の音楽サークルで結成したバンドなんですよね?

田嶋(Vo / Gt):そうですね。出身地がバラバラの4人が滋賀の大学の音楽サークルで組んだバンドなんですけど、活動自体は、京都のライブハウスが中心だったという。

安東(Vo / Gt):自分らがやるなら京都かなって思って。

水平線(すいへいせん)
京都を拠点に旅を続けるロックバンド、水平線。スケール感のあるアンサンブルとコーラスワークが光る。田嶋(Vo./Gt.)と安東(Vo./Gt.)のダブルボーカル兼ソングライティングにより、UKオルタナティブやフォークポップスなど、多彩な影響を感じる楽曲を生み出している。2024年1stアルバム『NEW HORIZON』をリリースし、2025年2月にはEP『Howling』をリリース。7月リリースの新曲「たまらないね!」はドラマ『晩酌の流儀4~夏編~』のOPに起用され、8月には『SUMMER SONIC』や『SWEET LOVE SHOWER』への出演が決定している。

水平線がユニークなところは、ここにいる2――田嶋くんと安東くんという2人のギターボーカルが、それぞれ作詞作曲をすることだと思っていて。なので今日は改めて、それぞれの音楽的なルーツというか、音楽遍歴を聞かせてください。

田嶋:僕の場合は、ずっとサッカーをやっていたんですけど、中3の終わりぐらいにどんどん試合に出れなくなって、サッカー面白くないなって思うようになって。そのあたりから音楽に対する興味が湧いてきました。それでそのとき仲が良かった友だちにQUEENをオススメされて、ギターに対する興味が強まっていって……。

ちょうどその頃、僕が行っていた美容院のマスターが使わないアコースティックギターを僕にくれて。それから自分でもアコギを弾くようになりました。

それが高校生ぐらい?

田嶋:そうですね。で、高校でフォークソング部に入るんですけど、そこに洋楽好きが結構いて。それでもともと母親も1990年代の洋楽が好きだったこともあって、自分も聴くようになりました。Extremeの“More Than Words”とか、MR. BIGの“To Be With You”とかをアコギで弾くことから始めて……あとはOasisの弾き語り系の曲とか。ギターは簡単なフレーズだったりするのに、すごいカッコいいなって思って。

田嶋太一 (Vo / Gt)

安東くんは、どんな感じだったんですか?

安東:歌うことは、小さい頃からずっと好きでした。うちは車の中では絶対音楽が流れているような感じだったので、自分もそれに合わせて歌うようになって……母親の影響で、コブクロとかいきものがかりとか歌ってましたね。僕が好きやったんは、嵐なんですけど。

そこから徐々に自分でも音楽に興味を持つようになって、地元のTSUTAYAでCDをたくさん借りてくるみたいな生活を、高校ぐらいまで続けていて。ONE OK ROCKとかはその時に知りました。いまひとつ思い出したんですけど、小6で転校してきた子が、9mm Parabellum Bulletとかthe pillows、八十八ヵ所巡礼とかをめっちゃ聴いていて、彼にもいろんなバンドを教えてもらいました。

安東瑞登(Vo / Gt)

もともと歌うのが好きと言っていたし、安東くんはバンドというよりも、歌とかメロディに興味があったんですかね?

安東:そうかもしれないです。そう、Mr.Childrenは小さい頃からずっと好きで、それこそいちばん最初にゲットしたCDは、ミスチルの『SUPERMARKET FANTASY』だったんですけど、高校あたりで「あ、ミスチルもバンドやん」って、ようやく認識して。

(笑)。

安東:そこから本格的にバンドへの興味を持ち始めたのかな。僕はそれまで、ずっとテニスをやっていたんですけど、高3ぐらいのときに、何かテニスをしっかりとやる気がなくなってきて。

どこかで聞いたような話ですね(笑)。

安東:(笑)。それで高3の頃に受験勉強の息抜きという名目でエレキギターを買って、大学では音楽のほうに全振りしました。

結成に踏み切った一押しは、神戸のバンド・プププランドのライブ

そんな2人が、大学の音楽サークルで出会うと。

安東:サークルでコピーバンドをやってましたね。

田嶋:ただ僕自身は、高校のときからオリジナルに興味があって。大学のサークルも、そこで良いメンツを探したい気持ちで入って。それで、ベースの水野(龍之介)くんに、「オリジナルをやるバンドを組んでみない?」って話をして、声を掛けたのが、安東くんとドラムの川島(無限)くんだったという。

安東:ある日、田嶋から電話が掛かってきて……「あ、やります」と(笑)。

(笑)。当時、田嶋くんは、どんな感じのオリジナル曲を、バンドでやりたかったんですか?

田嶋:くるりとかフジファブリックが好きだったから、日本語でやりたいなっていうのは漠然とあって。それぞれ好きな音楽は結構違ったりもしたんですけど、日本語のロックは共通項でした。

ちょうどその頃、プププランドのライブを観に行ったんですよ。そしたらそのライブが刺激的で「やっぱり自分も、オリジナルのバンドをやりたいな」って気分に繋がったようなところがあって。

安東:初ライブでは、プププとネバヤン(never young beach)とALの曲を演奏しましたね。

田嶋:そのライブが2018年の秋だったかな。

ライブハウスで撃沈して向き合った「自分たちらしさ」

そこから徐々に、いまのようなソングライター2人体制になっていったんですか?

田嶋:もとのアイデアを僕と安東くんがメインで出し合って、アレンジはバンドでやる感じになっていきました。そこから1年ぐらい掛けてようやく自分らの曲だけでセットリストを組めるようになったんですけど、これが水平線だっていう軸は、全然固まっていない状態でした。その頃に、京都のnanoに自分たちの最初の音源『ブルー・アワー』を送ったら、ライブができることになって……。

https://open.spotify.com/album/7uvCIPrL65VYZwpp0s84pU?si=e_rjfBsPRi214AhCbsqkqw
2曲入りの1st demo音源

いきなり、すごいじゃないですか。

田嶋:ただ、ライブのあと、店長のもぐらさんから「ライブ観たら、意外とよくわからんかった」とか「良い曲もあるけど、結局何がやりたいの?」みたいに、結構一発目でバチーンと言われて……。

安東:もともと好きな音楽が、田嶋が洋楽で僕が邦楽みたいな感じやったから、たしかにちょっとチグハグした感じがあったんですよね。

田嶋:「お前ら、居酒屋行って、メンバー同士、もっとしゃべり合え!」みたいなアドバイスをもらって……。

安東:で、「なにくそ!」って思って、敢えて居酒屋には行かなかったんですけど(笑)、メンバー同士で話し合いました。

田嶋:それから1年以上、nanoからは声が掛からなくなるんですけど、そこからちょっとずつ、お互いの曲の雰囲気みたいなものを、より感じ合うようになっていきました。

……で、ちょうどそのあたりに、コロナがくるんですよ。でもリリースの目標だけは、その都度ちゃんと立てていました。コロナ禍を抜けたあたりから、ようやく同世代のバンドの活動も活発になってきて、いろんな輪が一気に広がって。2022年に初めて東京でライブをやって、ようやくバンド活動っぽくなってきたタイミングで、安東くんが会社を辞めるんですよ。

https://youtu.be/ymbD-OjhJ3c?feature=shared

バンド1本でやっていく覚悟を決めた?

安東:そもそも遊びでやろうとは思ってなくて。田嶋が卒業するタイミングで「俺は就職しない」って言うから、すぐに自分も辞めました。それが2022年の5月ですね。

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