INDEX
ライブハウスで撃沈して向き合った「自分たちらしさ」
―そこから徐々に、いまのようなソングライター2人体制になっていったんですか?
田嶋:もとのアイデアを僕と安東くんがメインで出し合って、アレンジはバンドでやる感じになっていきました。そこから1年ぐらい掛けてようやく自分らの曲だけでセットリストを組めるようになったんですけど、これが水平線だっていう軸は、全然固まっていない状態でした。その頃に、京都のnanoに自分たちの最初の音源『ブルー・アワー』を送ったら、ライブができることになって……。
―いきなり、すごいじゃないですか。
田嶋:ただ、ライブのあと、店長のもぐらさんから「ライブ観たら、意外とよくわからんかった」とか「良い曲もあるけど、結局何がやりたいの?」みたいに、結構一発目でバチーンと言われて……。
安東:もともと好きな音楽が、田嶋が洋楽で僕が邦楽みたいな感じやったから、たしかにちょっとチグハグした感じがあったんですよね。
田嶋:「お前ら、居酒屋行って、メンバー同士、もっとしゃべり合え!」みたいなアドバイスをもらって……。
安東:で、「なにくそ!」って思って、敢えて居酒屋には行かなかったんですけど(笑)、メンバー同士で話し合いました。
田嶋:それから1年以上、nanoからは声が掛からなくなるんですけど、そこからちょっとずつ、お互いの曲の雰囲気みたいなものを、より感じ合うようになっていきました。
……で、ちょうどそのあたりに、コロナがくるんですよ。でもリリースの目標だけは、その都度ちゃんと立てていました。コロナ禍を抜けたあたりから、ようやく同世代のバンドの活動も活発になってきて、いろんな輪が一気に広がって。2022年に初めて東京でライブをやって、ようやくバンド活動っぽくなってきたタイミングで、安東くんが会社を辞めるんですよ。
―バンド1本でやっていく覚悟を決めた?
安東:そもそも遊びでやろうとは思ってなくて。田嶋が卒業するタイミングで「俺は就職しない」って言うから、すぐに自分も辞めました。それが2022年の5月ですね。