INDEX
誰かに見られている場所でしか、自分の評価を決められないような人にはなりたくないですね。
─特にコロナ禍以降、マッチングアプリでの出会いが主流になっているようです。この1年で結婚した人の4人に1人は、マッチングアプリが出会いのきっかけだという調査もありましたが(「4人に1人がアプリ婚 コロナ禍で定着?民間調査」Yahoo!ニュース)、こういった出会い方だと理想やスペック重視でお互いに幻想を抱きがちなのかなと感じます。
シトナ:ただ、学校や職場での出会いだったとしても、お互いに幻想を抱くことはありますよね。実際に付き合ってみないと価値観の違いはわからない。逆にマッチングアプリは最初から条件が提示されているぶん、むしろ現実的なのかなとも思います。お互いに身長や収入など具体的な条件を確認して、OKなら付き合う。その「出会い方」は確かに違うけど、そこから先は変わらないのではないかなと。

─僕の周りでもマッチングアプリの利用者は多いのですが、ちょっと嫌なことがあるとすぐ別れてしまう印象があるんですよね。
シトナ:すぐ別れるケースが増えているのは、手軽に次の人を見つけられるようになったからかもしれませんね。マッチングアプリの普及で、恋愛が以前より軽く感じられる部分もあるんじゃないのかな。
─そうなると、一人の人をずっと好きでい続けるのって、より難しくなってくる気がします。
シトナ:それはその人の性格にもよると思いますよ。一人を愛し続けるタイプの人は、一生一緒にいるだろうし、逆に常に新しい出会いを求める人もいる。結局は、人それぞれじゃないのかな。それに最近は女性も自立していて、「平等でいたい」と考える人が増えていると思います。「女の子だから」とか、年齢や性別で上下関係を作る人とは友達にもなりにくいですね。無理に恋愛関係や友情関係を続ける必要もなくなってきたというか。
─自立にも「精神的自立」や「経済的自立」などありますが、シトナさんが考える自立とは?
シトナ:私が大事にしているのは精神的な自立ですね。誰かに頼らざるを得ない状況ってあるかもしれないけど、いつも頼ってばかりで、自分が頼られないのはちょっと悲しいなって思います。どちらかというと、私は頼られたいタイプだし、相手が頼ってくれるからこそ私も頼るっていう関係が理想です。とはいえ頼りすぎると依存になってしまうので、お互いに一人の時間を大切にすることも大事。友達や家族との関係でもそうですね。経済的な自立ももちろん大切ですけど、やっぱり精神的な自立が一番重要だと感じています。

─精神的な自立を得るためにはどうしたらいいと思いますか?
シトナ:やっぱり、自分に自信を持つことが大事なんじゃないかと思います……と言いつつ自信なんて全然ないんですけどね(笑)。でも、人にあれこれ言われてそのたびに落ち込んでいたら、自分の人生が台無しになっちゃうなって思うんですよ。どんな人に何を言われても、「自分は自分だ」と思えるようにならないと、精神的な自立は難しいかもしれない。
例えば、恋人関係で「好きって言ってくれない」「可愛いって言ってくれない」みたいな不安があったとしても、自分に自信があれば、そんなこと言われなくても「私と付き合っているだけで幸せでしょ?」って思えるじゃないですか(笑)。友達関係でもそう。「全然遊んでくれない」「話を聞いてくれない」みたいなことも、自分に自信があればあんまり気にならないんじゃないかと思いますね。
─要するに、自分の評価を他人に任せないということですよね。
シトナ:はい。結局のところ、自分でしか自分のことを本当に評価できないと思うんですよ。普段の生活の中で、例えば家に帰ってから勉強を頑張ったり、街に落ちているゴミを拾って自分でゴミ箱に捨てに行ったりとか、そういう他人に見られてないところでの努力が、自分の評価につながると私は思っています。誰かに見られている場所でしか、自分の評価を決められないような人にはなりたくないですね。
