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脚本と音楽のチーム編成における挑戦

本作の脚本は、政池洋佑、蛭田直美、おかざきさとこ、三浦駿斗の4人体制で手掛けられている。政池は数々の映画・ドラマの脚本を手掛け、『ミス・ターゲット』(2024年)など単独で連続ドラマの脚本を担当し、蛭田も『舟を編む~私、辞書つくります~』(2024年)など賞にも輝いた連続ドラマを1人で手掛けた人気脚本家だが、いずれもフジテレビ制作連続ドラマの脚本を書くのは初めて。その点でも北野ならではの抜擢と言えるが、『あなたがしてくれなくても』(2023年)などのおかざき、『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~』(2022年~)などの三浦との4人体制で、それぞれに各話を任せたというのも、昨年の『3000万』(NHK)の脚本開発チーム「WDR」のような、昨今の海外ドラマの脚本制作体制からの影響を感じる。
音楽は、数々のCM音楽やゲーム音楽を手掛け、アニメ『時光代理人 -LINK CLICK-』(2021年)や連続ドラマW『坂の途中の家』(2019年)、映画『さんかく窓の外側は夜』(2021年)などの劇伴も担ってきた作曲家・ピアニストのyuma yamaguchiが担当。自身のアルバム『NotAnArtist』(2021年)でラブリーサマーちゃんや七尾旅人、角銅真実、Leo Uchida(Kroi)らをフィーチャーして来た彼が、本作の劇判では、注目のミュージシャン北村蕗(参照:インタビュー記事)をフィーチャーしている。豪華なオーケストラで演奏される楽曲に北村蕗の美声が重なるシーンには毎回、胸を打たれてしまう。