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霧の中で私たちは
タイトルにあるように、坂本+高谷作品において霧は「流動するもの(fluid)と、見えないもの(invisible)、聴こえないもの(inaudible)」を顕現させる触媒の役割を果たす。屋外にて展示される『《LIFE–WELL TOKYO》霧の彫刻 #47662』は、「霧の彫刻家」として知られる中谷芙二子とのスペシャルコラボレーションにより、美術館のサンクンガーデンを霧と音、そして高谷史郎による光で満たす作品だ。展覧会開催中は基本的に30分おきに「開演」し、鑑賞者はそのシンフォニーを楽しむことができる。

メディア向け内覧会の際には特別に舞踊家・田中泯による場踊りが披露された。霧を吸い、自身もなかば霧と一体になりながら、音を全身で受け止めるダンサーの姿は印象的だった。