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ブルースに出会って、人の意見よりも自分の感覚を大切にするようになった
—最近の作曲において苦労している点はありますか?
Roka:楽器があまり弾けないということに苦労していますね。サウンドの打ち込みをやるにしても、一応キーボードを叩いて弾いて作りたいんですよ。MIDIノートの切り貼りは嫌なんです。そうなると、できる楽器によって作れる音が狭まってしまう。それによって、アレンジの幅も狭まっている気がします。だから、理想は楽器のプレイヤーの方たちと一緒にスタジオに入って作る形なんですよ。
—生音 vs DAWという時代の二項対立ではなく、DAWが前提になった時代以降の生音主義ということですよね。DAWを使いながらも、それほど楽器にこだわるのはなぜなのでしょう。
Roka:ブルースに衝撃を受けたからこそ、演奏者の腕前や熱量に魅力を感じるんですよね。実際に演奏している、ということを大事にしたい。単純に音だけで言うとサンプルか生音なのか、わからないことも多々あると思うんですが、「これは生で録った」と言う事実が自分を納得させられるというか。テクノロジーは好きだし基本的には肯定派なんですけど、やっぱりベストは生だと思っています。
—なるほど。こうやって色々な背景をうかがっていると、紆余曲折を経た上でもそれらが全部Rokaさんの音楽の血肉になっているように感じます。様々なことをされてきた中で、自分の強みはどこにあると思いますか?
Roka:自分がどういう音楽を作りたいか、どういう音楽が好きか、ということを分かってさえいれば、曲はいくらでも作れるということに気づきました。それを聴かせて他人が気に入らなくても、自分が納得していればいくらでも作れる。昔は、人がどう思うかをすごく気にしてたんですよ。でもブルースに出会って、自分の感覚を大切にするようになりました。
