INDEX
『ロキソニ』の見どころ。ホスピタリティには自信あり
─そのあたりを踏まえた上で、山崎さんからみた『rockin’on sonic』の見どころを教えてもらえますか?
山崎:まずはヘッドライナーのWeezerです。彼らは今、最も人気のある『The Blue Album』(※)を再現するツアーを行っていますが、それに加えて日本でも特に人気のある楽曲を披露してくれるはず。リバース・クオモは大の日本好きで、日本の文化やファンの好みを熟知しています(笑)。今回も日本仕様のサービス満点のライブを届けてくれるでしょう。
※1stアルバム『Weezer』の通称。ジャケットの色からこう呼ばれている。
山崎:Manic Street Preachersのステージも注目ポイントですね。彼らのライブには「これぞレジェンド」と言わしめる迫力があり、若手バンドでは到底再現できないような、圧巻の演奏と歌声を体感できるはずです。
山崎:Cigarettes After Sexも外せません。彼らの楽曲はTikTokを通じて若い世代にも広まりましたが、ライブではその心地よい音楽と独特の世界観をさらに深く味わうことができます。海外ではアリーナクラスのツアーを行っているバンドなので、スケール感のあるステージを楽しめると思います。
山崎:そして、The Lemon Twigsにも触れておきたいですね。彼らの音楽はどこかロマンチックで、1960年代や1970年代のノスタルジックなロックを彷彿とさせます。ただ、ライブではその音楽のイメージとは対照的に、非常にエネルギッシュでやんちゃな雰囲気があり、そのギャップがまた魅力的です。
─ところで今回、会場として幕張メッセを使用すること、そしてこの時期に開催するというのは、『COUNTDOWN JAPAN』で使用する会場や設備を活用するという点が大きかったのでしょうか?
山崎:おっしゃる通りです。幕張メッセという会場自体の魅力に加え、『COUNTDOWN JAPAN』で使用しているインフラをそのまま活用できる点が、このフェスを実現させる上で非常に大きなポイントでした。
洋楽の現状を考えると、動員数にはある程度の限界があります。そのため初期投資を抑えつつ質の高いステージや場内設備を用意するには、既存のインフラを活用する以外に方法はないという結論に至りました。結果的に、『COUNTDOWN JAPAN』で培ったリソースを最大限に活かす形で、充実した環境を提供できると思います。
─ロッキング・オンが開催するフェスは、ホスピタリティの高さにも定評がありますよね。僕も『COUNTDOWN JAPAN』に行ったとき、「冬なのにこんな快適な環境で夜中まで音楽が楽しめるなんて」と感動したのを覚えています。今回のフェスでも、そうした工夫は取り入れられているのでしょうか?
山崎:はい。『COUNTDOWN JAPAN』で培ったインフラ環境を私たちも誇りに思っていますし、特に飲食エリアは非常に評判が良く、食事だけを集めた巨大フードフェス『まんパク』を開催するほどです。飲食エリアに関しては多少の規模縮小はありますが、インフラ環境はそのまま『rockin’on sonic』にも活用しています。
山崎:これまでロッキング・オン主催のフェスには参加したことのなかった洋楽ファンの方々には、ちょっとした驚きや新鮮さを感じてもらえるのではないかと思います。そういう意味でも、このフェスをぜひ楽しんでいただきたいですね。
─先ほど山崎さんがおっしゃっていた、「ノスタルジック」という部分についても伺いたくて。実験的 / 前衛的な音楽とは違い、後ろ向きと捉えられることの多い「ノスタルジックな音楽」や、それを楽しむことを、どのようにお考えですか?
山崎:確かに、特に40代や50代以上では「ロックは常に進化すべき」という考えが強いですよね。その価値観の中では、ノスタルジックな音楽や成熟した音楽が軽視されがちです。でも、音楽の進化は前に進むことだけではなく、過去を再評価し新たな価値を生むことも含まれると思います。僕らの世代が「進化し続ける音楽こそロック」と主張している横で、若い世代が「いやOasis最高でしょ!」と語っていることもある。そんな、ある種の「逆転現象」に気付かされる瞬間が増えました。今は前衛的な音楽もノスタルジックな音楽も、同時に楽しめる時代になったのでしょうね。それは素晴らしい変化だと思っています。

─確かに。Weezerの『The Blue Album』再現ライブを観て、当時リアルタイムで聴いていた世代が涙を流し、若い世代は「こんないいアルバムが30年前に存在していたのか!」と新鮮な気持ちで楽しむ。そんなオーディエンスが同時に存在している空間は、とても豊かだと思います。
山崎:それこそひと昔前なら、デビューアルバムの再現ツアーなんて一番批判されるタイプの企画だったはずですよ(笑)。「そんな後ろ向きなことでどうするんだ」って。でもそれって「ロックは常に進化し続けるべきだ」という価値観にとらわれすぎていたからかもしれない。もちろん、その考え自体も間違ってはいませんが、今はもっと自由に音楽を楽しむことが、ロックの新しい在り方として認められつつあるのでしょうね。

『rockinʼon sonic』

2025年1月4日(土)
-GALAXY STAGE-
PULP / PRIMAL SCREAM / JIMMY EAT WORLD / FRIENDLY FIRES
-COSMO STAGE-
ST. VINCENT / WEDNESDAY / THE SNUTS / LUVCAT
2025年1月5日(日)
-GALAXY STAGE-
WEEZER / DEATH CAB FOR CUTIE / MANIC STREET PREACHERS / THE JESUS AND MARY CHAIN
-COSMO STAGE-
CIGARETTES AFTER SEX / THE LEMON TWIGS / DIGITALISM / MONOBLOC
会場:幕張メッセ国際展示場
<4日>開場12:00/開演13:30
<5日>開場11:00/開演12:30
チケット:1日券 ¥18,000 | 2日通し券 ¥33,000
主催:ロッキング・オン・ジャパン/株式会社幕張メッセ
後援:J-WAVE
企画:ロッキング・オン・ジャパン
制作・運営:クリエイティブマンプロダクション
チケット:https://rockinonsonic.com/tickets/
公式サイト:https://rockinonsonic.com/