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平成初期のアートの準備段階を紹介。「プロローグ」と「イントロダクション」
ここからは各章の内容と、印象に残ったアーティストや作品を紹介しよう。
本展は1章へ入る前に「プロローグ」と「イントロダクション」がある。1989年に至る手前、日本が経済成長を遂げるなかで、ヨーゼフ・ボイスやナムジュン・パイクなど、国際的なアーティストとの交流が生まれた。会場には、ボイスが東京藝術大学で対話集会を行った際の黒板や、当時の日本のアーティストが『ドクメンタ』や『ヴェネチア・ビエンナーレ』といった国際的な芸術祭へ出展した時のアーカイブ資料が展示されている。

この時期には、それまで一般的だった画材だけではなく、日常的な材料を使うアーティストが現れる。中原浩大のレゴブロックを駆使した『レゴ』や村上隆のプラモデルを利用した『ポリリズム』、椿昇のウレタンを使った巨大彫刻『エステティック・ポリューション』など、斬新なコンセプトで見た目もインパクトがある作品は、新しい時代の到来を予感させる。

