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ヒップホップはポップカルチャーになり得るか?
先日、国内のヒップホップに関する興味深い記事があった。日本での展開を加速させている、TuneCoreの親会社Believe社グローバルミュージックヘッド兼ヨーロッパ社長であるロマン・ヴィヴィアン氏へのインタビュー記事である。彼はそこで「日本はヒップホップが伸びる」と述べている。以下に引用しよう。
私に言わせると、全ての音楽には第2段階があって、オーディエンスの規模がポップスのレベルになる瞬間を迎えるのです。それはジャンルの問題ではなく、規模の問題です。
70年代のパンクやソウルがその道を辿り、今では縮小しています。替わりに来たのがヒップホップでした。実際、アメリカではドレイクが、ドイツではRAF Camoraが、フランスではJulが、様々な国でヒップホップのスターが、億単位のリスナーを獲得し、何百億回も再生されました。
【特別取材】「音楽業界にとって今ほど面白い時代はない」世界各国でヒップホップを主流に乗せたBelieve社ロマン・ヴィヴィアン氏が語る日本の音楽産業の未来|Musicman
ヒップホップはかつてのジャズやロックと同じように、ポップスを聴く層にリーチするようになったのです。私たちが日本のヒップホップに賭けたのは、同じことが起こると踏んだからです。
いわゆるイノベーター理論にあてはめるとしたら、ヒップホップのリスナー層はアーリーマジョリティへ進んでいくような段階である、といったところだろうか。ただ、日本国内での主流の視聴環境 / スタイル、音楽にまつわるビジネスモデル構造、(ロックを好むといった)そもそもの音楽的嗜好などを鑑みるに、いささか楽観的な発言のようにも思える。
筆者の私見では、恐らく今後ヒップホップのリスナーは大きくは10代の若い層からしか増えず——幼少期からダンスを習ったりスクールに通ったりする子どもが増え、SNS動画の影響もありヒップホップダンスが爆発的な勢いで身近なものになってきている——、今後数十年の人口動態から推測するに、全体で見るとそのインパクトは極めて小さい。もちろんヒップホップは社会背景と密接に関係しているカルチャー / 音楽なだけに、この国の先行き不透明な政治・経済状況などにより時代がヒップホップを求める可能性もあるが――どうだろうか?

ヒップホップのリスナーが増える / 増えないはあくまで結果でしかないので何とも言えないが、恐らく「文化として常に身近である」ことが大事なのだろう。
インターネットにしろ地元にしろ、自分が生活する文化圏や居場所となるところにヒップホップが草の根を張っていること。フェス / イベントや各種メディアにおいて、ヒップホップについてわくわくするような出来事がたくさん起きていること。もちろん、胸を打つようなすばらしい曲が日々多く生まれていること。そして、知りたくなった時にいつでもヒップホップのルーツやブラックカルチャーについて知れるような環境があること。
それらの重要な役割を、確実に『POP YOURS』は担っている。ヒップホップの未来に向けて、「2020年代のポップカルチャー」という独自の視点で実験を展開するこのフェスが今年も楽しみだ。
『POP YOURS 2024』

日程:2024年5月18日(土)・5月19日(日)
時間:開場10:00 / 開演11:00
会場:幕張メッセ国際展示場9〜11ホール
出演者:
DAY1:5月18日(土)
LEX
Bonbero
鎮座DOPENESS
JJJ
JP THE WAVY
JUMADIBA
KEIJU
Kvi Baba
LANA
Lunv Loyal
MFS
OZworld
ピーナッツくん
Red Eye
STUTS
Yvng Patra
Special Act: OZROSAURUS
NEW COMER SHOT LIVE
JAKEN
Kohjiya
L.O.S.T
(AtoZ)
DAY2:5月19日(日)
Tohji
Campanella
CreativeDrugStore
DADA
Daichi Yamamoto
Elle Teresa
guca owl
IO
Jin Dogg
Kaneee
kZm
7
ralph
SIRUP
tofubeats
Watson
Yo-Sea
千葉雄喜 -チーム友達Shot Live- New
NEW COMER SHOT LIVE
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lil soft tennis
swetty
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(A to Z)
オフィシャルサイト:https://popyours.jp