メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

小袋成彬と語るPARCOと文化の関係 DJの役割を発揮できる場所

2024.12.2

PARCO 55周年

#PR #MUSIC

DJを聴く理由は、特定のコンテクストの中で輝く楽曲があるから

タカノ:PARCOは55周年ロゴに込めたテーマとして「KEEP TURNING」を掲げています。移り変わっていく生活様式や混ざり合って多様化していく価値観を表現したこのテーマにおいて、印象的だったフレーズが「変革」で。小袋さんは世界の変化について、どのように捉えていらっしゃいますか。

小袋:ここ5年はコロナに始まり、戦争が起きてしまったりと、とんでもない世界に生きているなと思います。目まぐるしく世界は変化していて、歴史の証人になった感覚もある。何から手を付ければ良いか分からない状態の中で、俺は音楽を作ることで自分を表現できるから幸せだなって。最近だとアメリカ大統領選挙がありましたけど、自分と違う価値観を持った人がこんなにいることに驚いたんですよね。自分のいるコミュニティの小ささを実感するばかりです。

タカノ:住んでいる地域によって違う視点があるでしょうし、目まぐるしく情勢が変化している分、アーティストにとっても大きな影響があるなと。政治的な側面に限らず、どこからインスピレーションを受けるか、どのように発信していくかも変わりますよね。

小袋:昔の音楽を多く聴くようになって、ずっと言っていることは変わらないと感じています。例えばPARCOが開業した1969年付近って、The Beatlesの『Abbey Road』(1969年)やLed Zeppelinの『Led Zeppelin』(1969年)、Pink Floydの『The Dark Side of the Moon』(1973年)が発表された時期じゃないですか。『The Dark Side of the Moon』の“Money”は今の時勢を示している気もするし、そういった曲が生まれていた時代にPARCOが誕生したことも面白い。1969年は『ウッドストック・フェスティバル(Woodstock Music and Art Festival)』を筆頭に反体制的なヒッピーカルチャーが盛り上がっていた時期で、その時代の空気感を楽曲から感じることもできる。音楽を作っていく上で、過去の音楽から影響も受けていますし、考えさせられることもたくさんありますね。

タカノ:混沌な現代の影響を受けて2024年に生まれた作品も、50年後にはこうやって語られるかもしれないですよ。

小袋:語られるようにするのがDJや音楽好きの役割だと思うんです。なぜみんながDJを聴くのかを考えると、ある曲が特定のコンテクストの中で輝くからなんですよね。曲単体で聴いた時にはピンとこなかった楽曲でも、前後の曲の流れがあることで新たな価値が生まれる。DJの役割は、そういった価値を再発掘していくことだと感じていて。だから、『FLIP SIDE PLANET』でも曲順やタイミングを考えていますし、PARCOのパーティーでも同様の意図を持っていました。

タカノ:DJはストーリーを作って、届けていく仕事でもあると。

Celeina:素敵な言葉をいただきました。最後にこれからのPARCOに期待することを聞かせてください。

小袋:浦和のPARCOは図書館で勉強をしている学生がいたり、家族連れの方も多い印象があって。そうやって老若男女がいる環境で、DJイベントを開催できたら嬉しいです。

Celeina:渋谷PARCOでも是非!

小袋:渋谷でもやりたいですけど、浦和や吉祥寺のような都心から少し外れた場所で、ローカルを中心に活動しているDJを呼びたいなと。ライブハウスも少なくなってきているので、彼らが流す音楽が各所で次の世代に受け継がれていって欲しいです。

タカノ:各地のPARCOからそれぞれのカルチャーがニョキニョキ生まれてくることになったら、楽しいですね。

Celeina:これからの小袋さんの活動、そしてPARCOの未来も楽しみです。本日は小袋成彬さんにお話を伺いました。ありがとうございました。

PARCO55周年

日々移り変わっていく、景色。混ざり合い多様化する、価値観。複雑化していく、ルールと法則。瞬く間に変容していくこの社会で、未知なる感動を作りたい。在りきたりと型破りがくるりくるりと入れ替わる。混沌とした世界の中心で、PARCOは今日も、変革し続けていく。

池袋PARCO55周年特設サイト
https://ikebukuro.parco.jp/page/55th_anniversary_link/

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS