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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

小袋成彬と語るPARCOと文化の関係 DJの役割を発揮できる場所

2024.12.2

PARCO 55周年

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2024年に開業55周年を迎えたPARCO。55周年を記念して、松任谷由美が出演した特別番組や森山未來と大根仁による『PARCO文化祭』など年間を通して様々な記念イベントが開催されている。そして「PARCO RADIO WAVE」と題した企画では、全5つのラジオ局とPARCOがコラボレーション。テーマの「Re:メモリーズ」には、多様な文化 / カルチャーを発信してきたPARCOの思い出を、リスナーと対話するメディアであるラジオを通して再び思い起こしていきたいというメッセージが込められている。

2024年11月18日に放送されたJ-WAVE『GRAND MARQUEE』ではPARCOとの思い出について現在ロンドン在住のシンガーソングライターである小袋成彬との深掘りトークを実施。渋谷PARCOの館内BGMセレクターやDJイベントも担当する小袋に、幼少期からのPARCOとの関係や、これからDJで実現したいことについて話を聞いた。

浦和PARCOでの思い出

Celeina(MC):J-WAVE『GRAND MARQUEE』、今日はPARCO55周年企画として、ゲストに小袋成彬さんをお迎えしております。

小袋:意外にも初めましてですよね(※)。よろしくお願いします。

Celeina:確かに、直接お話するのは初めてかもしれないです。今日はロンドンからリモートでお話いただいていますが、ロンドンの秋はいかがですか?

※編注:小袋成彬が率いる『FLIP SIDE PLANET』は『GRAND MARQUEE』内にコーナーを持っている。

小袋:もうロンドンは冬ですね。今日は現時点で9℃、この後12℃まで上がる予報なんですが、なかなか晴れないんですよ。何年経っても、この寒さには慣れないです。

小袋成彬(おぶくろ なりあき)
日本・埼玉県出身、イギリス・ロンドン在住のアーティスト。株式会社TOKA創業者。

タカノ(MC):ロンドンに住まれてから何年になるんでしょう。

小袋:もうすぐ6年になるので、日本語を喋るのも久々です。

タカノ:今日は小袋さんとPARCOをキーワードにたっぷりとお話していきたいと思います。よろしくお願いします。

Celeina:小袋さんがPARCOに初めて行かれたのは、いつ頃でしたか?

小袋:地元の浦和駅前にPARCOがあって、高校生の頃に本格的に認識するようになりました。電車で通学するようになったことで、最寄り駅の象徴としてPARCOが存在するようになったんですよね。タワーレコードに寄ったり、映画を観ていました。

Celeina:当時は何の映画をご覧になっていたのでしょう。

小袋:全然思い出せないですね。最近だとエンディングエンディングに使われた宇多田さんの名曲のリミックス“Beautiful World (Da Capo Version)”を作ったこともあって、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観に行きました。

タカノ:映画館も劇場もありますし、PARCOはカルチャーの発信地ですよね。

小袋:浦和のPARCOは図書館もあるので、頻繁に本も借りていました。(※)

※編注:浦和PARCOが入っている駅ビル、コムナーレの8階にさいたま市立中央図書館がある。

タカノ:凄く素敵です。僕は高校時代、吉祥寺のPARCOに通っていて。雑貨や洋服も買っていましたし、屋上でフリーマーケットをやっていたんですよね。それを眺めるのが楽しかった。

Celeina:私は小学校高学年の時、渋谷PARCOに行ったのがデビューだったかな。

タカノ:改めてPARCOは街に根付いている存在だなと感じました。

小袋:店舗ごとに、その地域のカラーもありますよね。

タカノ:街ごとに比べてみるのも面白そうです。

小袋成彬と池袋PARCO、渋谷PARCOとの関係

タカノ:さて、小袋さんはアーティスト活動をスタート後、PARCOの様々なクリエイティブを手掛けられていると伺っています。

Celeina:2019年には池袋PARCO50周年を記念したキャンペーンムービーの音楽を担当されていますが、池袋PARCOには通われていたんですか?

池袋PARCO 50周年キャンペーンムービーは、漫画とアニメの聖地という街の特性にちなんで、未来の池袋を舞台にしたアニメーション仕立て。アニメーション制作は、TV番組やMVで活躍を広げる気鋭のクリエイティブ集団のODD JOB.Inc、音楽は小袋成彬が手がけた。

小袋:大学通学で池袋駅を利用していたので、よく足を運んでいましたね。ひたすらぶらぶらしていただけですけど、それが一番楽しかった。

Celeina:学生時代には池袋PARCOを利用されていたということで、キャンペーンムービーを担当された際は感慨深かったと思います。

小袋:ご縁が回ってきて嬉しかったです。デビュー当時から気にかけていただいて、ありがたい限りでした。

タカノ:ちなみに池袋PARCOがPARCOの本店だそうです。

小袋:そうか、池袋が本店なんですね。

タカノ:そう考えると、池袋PARCOを利用されていた小袋さんが50周年のキャンペーンを手掛けられたというのも、ベストマッチですよ。

Celeina:そして、2023年には渋谷PARCOの館内BGMをセレクトされています。セレクターを担当されたきっかけは、『GRAND MARQUEE』でもお馴染みの番組『FLIP SIDE PLANET』なんですよね?

『FLIP SIDE PLANET』
2017年11月に小袋成彬による音楽ラジオ番組『Music Hub』として、J-WAVEにて放送開始。2020年7月に新メンバーを加えて『Flip Side Planet』にリニューアル。2022年1月からは渋谷PARCOの館内放送BGMの音楽セレクトを1年間担当し、2023年11月には渋谷PARCOでのDJイベント『PLAZA』を開催した。

小袋:そうですね。『FLIP SIDE PLANET』のメンバーで館内音楽のプレイリストを作成して、1年間流していました。

Celeina:このプレイリストを作る上で、こだわったポイントは?

小袋:トイレや喫煙所、エスカレーターが一番音楽の聴こえる場所だと思っていて。PARCOに通っているお客さんは、音楽に対して感度が高い人が多いじゃないですか。そういう人がふと音楽を耳にした際に、「ちゃんと音楽が流れているな」と気づける瞬間を生み出したかった。だから、誰もが知っている名曲よりも、アルバムの7曲目に入っているような隠れた1曲を詰め込みました。

タカノ:良いですね。『FLIP SIDE PLANET』をオンエアさせていただいて、小袋さんの音楽の引き出しの多さは凄いなと。佐野元春さんをセレクトされていた時は、本当に痺れましたね。

小袋:ありがとうございます。『FLIP SIDE PLANET』はロンドンで収録したデータを放送していただいているので、生放送と違ってダイレクトの反応がないんですよ。だから、番組をどう聴いていただいているのかを伺う機会がなくて。8年間無に向かって発信している気分だったので、感想を聞けて報われました(笑)。

Celeina:小袋さんは新しい音楽の数々をインプットされていると思うんですが、何を通じて情報収集されているんですか?

小袋:最近はもっぱらレコードを聴き漁っています。もちろんサブスクリプションサービスも使うんですけど、レコードを通じて良い音楽に出会う機会が多い気がしますね。

Celeina:ロンドンでお気に入りのレコード発見スポットはありますか?

小袋:良いレコード屋さんもたくさんありますし、僕はレコードをかけるDJコミュニティに所属しているので、そこで情報を交換することも多いです。

タカノ:ぜひ、遊びに行かせてください。

ロンドンにて(小袋成彬提供)

渋谷PARCOの50周年を記念したDJパーティは大反響

Celeina:小袋さんとPARCOの繋がりに話を戻しますと、2023年には渋谷PARCOの50周年を記念したDJパーティーを開催されています。こちらは館内を大規模に利用してのパーティーだったと伺っていますが、どのような内容だったんですか?

小袋:PARCO10階にあるComMunEというスペースを使って、日本のレコードをロンドンに配送するVinyl Delivery Serviceを運営しているRintaro Sekizukaと一緒にDJをやりました。人が溢れてしまって大変だったんですけど、都会のど真ん中でこんなに大きな音出して良いんだなって。しかも、ComMunEは半屋外になっているので解放感もあって、気持ち良かったですね。

Celeina:ComMunEには独特な空気を感じますが、この場所でパーティーを開催するにあたって、どのようなポイントを大切にされたのでしょう。

小袋:ComMunE以外のフロアでもたくさんのライブが開催されていたので、PARCOのスタッフさんからのお祭りムードを感じていて。そのバイブスのままにDJをプレイしました。あとは、ほとんどレコードだけでDJをしたんですよ。というのも、若い人はレコードを聴く機会も少ないと思うし、レコードを爆音で聴く機会ってなかなかないじゃないですか。だからこそ、レコードを大音量で体感してもらうことは意図していました。

Celeina:レコードの爆音は、私も体験したことがないですね。

小袋:レコードにはデジタルのDJでは生み出せない何かがあるんですよ。物理的にドラムのキックの音が心臓にドンってきますし、身体で音を感じられる。それを体験すると、音楽の聴き方が変わるんです。

Celeina:次回のイベントは絶対に伺います。小袋さんは現在ロンドンを拠点に活動されていますが、ロンドンにPARCOのようなカルチャーを大切にしている商業施設やシーンに影響力を持った場所はありますか?

小袋:PARCOが独特すぎるので、商業施設だと思いつかないな。PARCOはカルチャーが中心にあって、そこから発信していこうとする土台があると思うんですね。そういった土壌をショッピングモールでは感じることができない。一方で、街のセレクトショップや個人商店には近しい雰囲気がある気がします。

ロンドンにて(小袋成彬提供)

タカノ:改めてPARCOのありがたさがわかりますね。

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