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令和ならではのリーガルドラマ『モンスター』が描く、もう一つの「モンスター」

2024.12.23

#MOVIE

『モンスター』©カンテレ

本作で描こうとしているもう1つの「モンスター」とは何か

妊婦の横沢さくら(前田敦子)と共に群馬県山遥村に向かった亮子©カンテレ
妊婦の横沢さくら(前田敦子)と共に群馬県山遥村に向かった亮子©カンテレ

第10話では、ついに、亮子の父・粒来の空白の12年の謎につながるヒントが現れた。第9話で亮子が訪れた群馬の四季の森美術館で出会った画商・岡村洋一郎(近藤芳正)から、そこで起きた「呪いの絵」にまつわる訴訟に粒来が関わっていたことを聞き、同じタイミングで事務所まで相談に来た妊婦の横沢さくら(前田敦子)から群馬の村で起きた問題について聞いたことと、粒来が気にしていた闇バイト組織の指示役・キングが群馬出身であったことを鑑みて、そのヒントは群馬にあると確信した亮子。さくらの故郷で起きた環境汚染問題の実態を把握するために、群馬県山遥村に向かう。

亮子たちが山遥村で目にしたのは、枯れた草木と体調不良を訴える人々。その原因は、村にできた「サカミクリーン」という産廃処理場ではないかとさくらは考えたが、村の人々は、サカミクリーンに訴訟を起こすことに消極的だった。かつて、サカミクリーンに対して反対運動をし続けていた内海泰造(眼鏡太郎)が亡くなっていたのだ。その後、同様に環境問題を提起していた覆面ラッパーI:Zackの正体が泰造の息子・拓未(前原滉)だと判明し、サカミクリーンに対する裁判の証人として拓未が出廷したところで、話は最終話へ。

第1話で「モンスター」っぷりを発揮したカウンセラーの梅本ますみ(美波)©カンテレ
第1話で「モンスター」っぷりを発揮したカウンセラーの梅本ますみ(美波)©カンテレ

改めて振り返ってみると、『モンスター』では、モンスター弁護士が、様々な「モンスター」による事件や訴訟を解決する様が描かれてきたが、各話では、事件や訴訟のきっかけとなった問題に気づきながら目を背ける人々が描かれてきた。第1話において、自殺した川野紗江の異常に気づきながらも、プロとしてはあるまじき一言で紗江を追い詰めたカウンセラーの梅本ますみ(美波)が象徴的なように、汎ゆる問題には、被害者に対して直接的に手を下す人以外にも、間接的に問題に加担する人がいる。そうした人は得てして、無意識なのかもしれない。そうした、どこにでもいる普通の、無意識に問題に加担する人々を、テレビを観る私たちも含めて糾弾するのが、このドラマの射程の一つなのではないか。

粒来は、群馬で起きている問題にどのように関わっているのか。そして、その問題に関わる「モンスター」は誰なのか。最終回で明かされることを楽しみにしたい。

『モンスター』

『モンスター』©カンテレ
『モンスター』©カンテレ

カンテレ・フジテレビ系にて毎週月曜よる10時から放送中
公式サイト:https://www.ktv.jp/monster/

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