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令和ならではのリーガルドラマ『モンスター』が描く、もう一つの「モンスター」

2024.12.23

#MOVIE

『モンスター』©カンテレ

橋部敦子ら熟練のスタッフと趣里とジェシーなど新鮮なキャスト

第1話では亮子のモンスター弁護士っぷりを訝しげに見ていた杉浦義弘(ジェシー)©カンテレ
第1話では亮子のモンスター弁護士っぷりを訝しげに見ていた杉浦義弘(ジェシー)©カンテレ

本作は、ベテラン脚本家・橋部敦子によるオリジナル脚本ドラマである。橋部といえば、本作と同じカンテレ制作の『僕の生きる道』(2003年)、『僕と彼女と彼女の生きる道』(2004年)、『僕の歩く道』(2006年)の、いわゆる「僕シリーズ3部作」で有名だが、最近でも、第39回向田邦子賞受賞作の『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(2021年 / テレビ朝日)や『ゆりあ先生の赤い糸』(2023年 / テレビ朝日系)などの話題作も手掛けており、いずれもドラマが放送された時代にも通じる社会課題をモチーフとして扱ってきた。本作にスタンスが最も近いドラマと言えるのは、『半径5メートル』(2021年 / NHK)だろうか。橋部によるオリジナル脚本であったこのドラマでは、週刊誌記者を主人公として報道の問題も追求しつつ、出張ホストやミニマリスト、トランスジェンダーなど、当時も話題になっていたトピックスを的確に扱っていた。

メイン演出は、数々の橋部脚本ドラマやカンテレ制作のドラマ演出を手掛けてきた三宅喜重が務め、他に、木内健人と樹下直美が演出を担当している。

亮子と同じ勝訴の道筋を見られるようになった杉浦©カンテレ
亮子と同じ勝訴の道筋を見られるようになった杉浦©カンテレ

キャストは新鮮そのもの。朝ドラ主演直後であるから、趣里の主演が当たり前のように思えるかもしれないが、映画では主演作も少なくないものの、地上波ドラマにおける主演作は数えるほどしかない。SixTONESのメンバー・ジェシーも、主演級の扱いのドラマは、これまでに『最初はパー』(2022年 / テレビ朝日系)くらいであったし、事務所で働くパラリーガル・村尾由紀子を演じる音月桂やハッカーコンビニ定員・城野尊を演じる中川翼を初めて観るドラマ好き(もちろん宝塚ファンや大河ドラマを見続けて来た人にとっては良く知る俳優だと思うが)も少なくないのではないか。

熟練の脚本・演出コンビが生み出した新たなキャラクターを、新鮮なキャスティングで描く。本作の懐かしくも新しさを感じさせる面白さは、そんなところからも来ているのかもしれない。

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