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感情の立ち上がりが遅いので、音楽でゆっくり消化している
ーソロ名義の曲は梅井さんがそのときやりたいと思った音楽性を自由に形にしている印象ですが、最新曲の“w_mimoza”はどのように生まれた曲なのでしょうか?
梅井:“w_mimoza”はまず「弦の曲を書きたい」という気持ちが大きくて、初めは歌を入れようと思っていたり、1年前ぐらいからアイデアは考えていたんです。でも弦楽器に対する憧れが強すぎて、自分が弦の曲を書くにはもっと勉強が必要だなと思って、書くのをためらっていたので時間がかかっていて。そうやっていろいろ考えてるうちに、「やっぱいいや、多少荒削りでも全部自分で作っちゃおう」と急に思い立って、2週間ぐらいで仕上げました。
ー弦楽器に対する憧れにはどんなルーツがありますか?
梅井:ヴァイオリニストの中西俊博さんの作品が昔からすごく好きで、憧れの入口だなと思いますね。私が7歳とか8歳の頃に、エレクトーンの先生が教えてくれました。それから自分で弦の曲を書くならクオリティの高いものにしたいとずっと思っていて、今回は自分でも納得いくものにできたと思います。この編成は今後も続けたいなと思っていて、今また新しい曲を制作中です。
ー7分間の構成 / 展開がすごくドラマチックで、いつか劇伴や映画音楽も聴いてみたいと思う楽曲でした。“w_mimoza”というタイトルにはどんな由来がありますか?
梅井:白いミモザに一時期すごく興味があったんです。あとこの曲を書いていた時期は辛いことが重なった時期で、優しさについて考えていたんですよね。人とまっすぐ向き合いすぎて、こんなに疲れて一体何をしているんだろう? とか、モヤモヤしていた時期で、そういうのが出ているんじゃないかと思ったりします。
ー感情的になって、勢いで曲を仕上げたという話は“hannah”にも通じますね。
梅井:感情的になって曲を作ることは割と珍しくて、だからこの曲は思い入れが強いのかなと思ったりもするし、でも実際に曲を書いているときは冷静だった気もします。演奏していても、感情的になることが多いんですけど、でもそういうときって意外と精神的には冷静で、自分の表面的な部分と内側の感情は相反する部分があるんですよね。あと私は感情の立ち上がりが遅いというか、後から悲しいとか、後から怒りたくなるとか、そういうことが多くて、それで日常的に人に迷惑をかけたりすることもあったりして。
ー複雑な感情はすぐに言葉にはできないし、すぐに消化できるものではなくて、だからこそそれを音楽にすることで消化しているのかもしれないですね。
梅井:そうなのかもしれないなって、最近は思いますね。
