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関西圏のカルチャーが一挙に介する都市型フェス
『メロクル』の特徴は、クルージングする多彩な催しが神戸・関西圏のカルチャーを元に展開されている点。2025年も、神戸出身のtofubeats、大阪府出身のKvi Babaや清水翔太、lil soft tennis、swetty、京都出身のDaichi Yamamoto、和歌山県出身の7などのヒップホップを中心としたアーティストに加え、アパレル・雑貨やフードなども神戸や関西圏のショップが多く立ち並ぶ。つまり、立地やロケーションというハード面も、そこで展開されるステージやショップというソフト面も、ともに神戸 / 関西圏という土地性を最大限に活かしキュレーションされた「ここでしか体験できない」ものになっているのだ。この独自性こそが、『メロクル』が開始からわずか4年目で急速に支持を集めている要因だろう。



大型フェスながらどこかアットホームな雰囲気はアーティスト側にも伝わっているようで、皆「リラックスして遊びに訪れるような感覚」と口を揃えて言う。たとえばヒップホップのアーティストが多く出演するフェスと比較してみても、ヒリヒリした緊張感の中いかに「カマす」かが問われる『POP YOURS』とは対照的だ。メロクルは演者側もいかに楽しむかというムードが強く、ゆるやかなバイブスの中で、普段は見られないピースフルな側面を垣間見ることができる。

