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形を変えながら広がるイメージのこれから
―『500mm』というタイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか?
北村:ダンスミュージックをコンセプトに作ろうと思ったときに、最初はDJでかけてもらえるような、展開が少ない、シンプルな構成にしようと思っていたんですけど、結果的には違ったものになったんです。シンガーソングライターとしての自分が今までやってきたことが出てしまった。だから自分が思い描いたものと、自分の中から出てきてしまったもの、その対比から「半径」という言葉がキーワードになりました。理想と現実、成功と失敗、希望と不安とか、この言葉にいろんな対比が込められると思ったんですよね。これらの対となる要素が一つの円を作り、私という存在を形作っていて、半径をもっと大きくしていくことで、自分という器ももっと大きくなるんじゃないかと思ったんです。『500mm』にしたのは、半径が500mmだと直径は1mで、m2つからm1つになるのが視覚的に可愛らしいと思ったからです。

北村:ジャケットも私が思い描いていたイメージと近くて。最初に浮かんだ、海から太陽が出ているイメージです。
―海から太陽が出ているイメージというのは途中で話してくれた夕焼けのイメージとも通じるものかもしれないし、始まりと終わりを意味しているようにも受け取れて、初めてのEP=音楽家としての本格的なスタートというタイミングにも合致するように思います。リリースライブには『1m』というタイトルがついていて、この日も1人でライブパフォーマンスをするんですよね?
北村:そうですね。バンドとか人と一緒に音を出すこともやってみたいと思うんですけど、まずは自分1人で完結できるものを作ってみたい気持ちがあって。フレッド・アゲインとかも1人でライブをしているから、自分もやってみたいなって。これまでアコースティックセット、テクノセット、エレクトロニックセット、あとアンビエントセットも1回やったことがあって、リリースライブはこの1年間で積み上げてきたものを1日で一気に見せたいと思っています。
―この先、音楽家としての将来像をどのように思い描いていますか?
北村:やりたいことは本当にいろいろあって、弾き語りの要素も取り入れつつ、ジャズを優先順位高めに置いたアルバムも作りたいし、ピアノトリオもやってみたいし、アンサンブルの曲も作ってみたいし、DJも続けていきたい。演奏できる楽器も増やしたくて、ギター、ベース、フルートももっと上手くなりたいし……あとアニメーションを作りたいなっていうのも思っています。
ーアニメーション?
北村:ロトスコープという手法でアニメーションを作るシシヤマザキさんがすごく好きで、自分が踊っている映像をトレースしてアニメーションにしたりしていて、私もやってみたいなって。『500mm』のアートワークはBlenderっていう3DCGの画像が作れるソフトを使ったんですけど、最近それでアニメーションを作れるのも知ったのでやってみたいです。
―北村さんの中にあるイメージが様々な音楽になり、ときにはアニメーションになったり、形を変えながらどのように広がっていくのか……今日これまでの足跡を振り返ってもらったことで、これから先のキャリアがとても楽しみになりました。
北村:自分でも自分がどうなっていくのかはまだわからないですけど(笑)、興味を持ったことはどんどんやっていきたいですね。

1st Ep『500mm』

l Music&Write:北村蕗
All Mix.Mastarign:武舎歩
Cover art: 北村蕗
2024年6月5日(水)配信リリース
1.ic
2.lurk
3.eclipse
4.burn
5.blue sight
6.amaranthus(stripped ver.)
配信リンク:https://ultravybe.lnk.to/500mm
2024年6月26日(水)タワーレコード限定でCDリリース
CD限定ボーナストラックとしてデビュー曲“amaranthus”を新たに弾き語りした“stripped ver“を収録。
北村蕗 1st EP『500mm』 releaseshowcase”1m”

日 時:2024年6月29日 OPEN 17:30 START 18:30
会 場:恵比寿 BATICA
料 金:¥3,000 (1D代別途)
出 演:北村蕗
発 売:5月15日 0:00~ e+ イープラスにて https://eplus.jp/kitamurafuki ※予定枚数終了
問合せ:contact@butterbur-music.com