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『水曜日のダウンタウン』藤井健太郎は何故、賛否を呼ぶ作品を作り続けるのか?

2025.9.9

#MOVIE

『水曜日のダウンタウン』を筆頭に、飽くなき攻めの姿勢で作品を作り続けるTVディレクターの藤井健太郎。

スペースシャワーTVのアーカイブサイト「DAX」のインタビュー企画「My Favorite X」特別編として、NiEWにてテキスト形式でのインタビューが実現。

ヒップホップに傾倒した経緯から、 地上波マスメディアで賛否を呼ぶ番組を作り続ける意図を語ってもらった。

ヒップホップ好き、藤井健太郎の10代

―相変わらずお忙しそうで。

藤井:ありがたいことに配信系の仕事もオファーを頂くので、可能な範囲で受けつつ、そういった配信番組も『水曜日のダウンタウン』も全部編集は自分でやっちゃっているので、「この齢でまだ徹夜するのか……」とか思いながら、相変わらず休みなくやってます。

―でも、自分で編集しないと気が済まない。

藤井:そうですね(笑)。やると結局そうなっちゃうので、これ(『水曜日のダウンタウン』)が終わったら、自分が演出を担当する形でのレギュラー番組はもうやらないつもりですけど。やっぱり、途中から降りることは出来ないじゃないですか。その理由が「自分がしんどいから」ってのもちょっとカッコ悪いし。

―ところで、藤井さんと言えばヒップホップ色が強いイメージですが、最初に音楽に夢中になったのはいつ頃ですか?

藤井:たぶん中1中2ぐらいのときに、スケートビデオでかかっていたヒップホップとかパンクとかがJ-POP以外の音楽との出会いで。『100%RAP』や『RAP To The MAX』っていうヒット曲のコンピに、K7やヴァニラ・アイスとかの一発屋系と並んで入っていた、Run-DMCとかNaughty By Natureを聴いたのが、ヒップホップの入口だったと思います。中学はほぼ洋楽オンリーでしたけど、中3の終わりから高1にかけてが、キングギドラやBUDDHA BRANDが出てきてシーンが盛り上がってきたタイミングだったので、その頃からは日本語の曲も聴くようになった感じです。『さんピンCAMP』は高1の夏でした。

藤井健太郎(ふじい けんたろう)
TVディレクター。1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後にTBSテレビに入社。『クイズ☆タレント名鑑』等の演出・プロデュースを経て、現在は『水曜日のダウンタウン』『クイズ☆正解は一年後』『オールスター後夜祭』などの番組を手がける。

―出身は東京ですよね? 周りの友達も日本語ラップを聴いてたんですか?

藤井:聴いてましたね。いわゆる高校生がパー券を売ってイベントをやっていた時代で、基本高校生のパーティで流れるのはヒップホップだったし、周りはみんな日本のヒップホップも聴いてましたね。ただ、それでラップを始めるってヤツは当時まだほとんどいなくて、逆にDJは高校生のイケてる趣味の代表っぽいところがあったので、自分も中3の時にターンテーブルを買って、DJをやってたりはしました。

―著書『悪意とこだわりの演出術』(2016年)では「『さんピンCAMP』には行けなかったけれど、年越しの『鬼だまり』には行きました」と書いてますね。

藤井:そうですね。別に変な入り方をした記憶はないんで、16歳でも普通にオールナイトのイベントに入れちゃった時代なんだと思います。

―16歳で『鬼だまり』に行くのって、早くないですか?

藤井:いや、一緒に行った2歳上の先輩はオープンマイクのステージに上がってましたし、そんな感じはなかったと思いますよ。当時、高校生だった般若さんも鬼だまりのステージに上がってたはずですし。

―『さんピン』や『鬼だまり』とは別に、いわゆるLBネイション(スチャダラパーを中心とした日本のラップグループ・クラン)周辺は聴いてましたか?

藤井:いや、当時はいわゆるのハードコアなスタイルが目新しくて、そっちに強く惹かれていたので、LB周りはそこまで積極的にチェックしてなかったですね。今となれば、結局、スチャダラがある意味一番ハーコーだったんじゃないかって話なんですが、15、6歳の頃は、それまで音楽の中では聴いたことのなかった言葉が飛び出すリリックにグッときてしまってました。

―その当時一番好きなアーティスト、曲は?

藤井:当時は「日本語で韻を踏む」ってことが目新しくて、面白く感じてたので、やっぱり最初はキングギドラですかね。で、一番好きだった曲はK DUB SHINEソロの“スタア誕生”だったと思います。ストーリーテリングのスタイルに触れるのも当然初めてだったので、衝撃を受けました。Kダブさん、今はなんとなく面白キャラみたいになっちゃってますけど、もっと真っ当にリスペクトされる存在になってた道もあったんじゃないかな、と。

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