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いまの韓国シーンの最前線を映し出すラインナップ
YUN SEOK CHEOL TRIO(ユン・ソクチョルトリオ)

ユン・ソクチョルトリオはピアニスト、ユン・ソクチョルを中心に、ベースのチョン・サンイ、ドラムのキム・ヨンジンの3人から成るジャズトリオだ。これまでも韓国のグラミー賞と言われる韓国大衆音楽賞(Korean Music Awards)をはじめ、数々の受賞やノミネートを重ねており、中でもソクチョルはアイドルからR&B、バラードまでジャンルを越えて実力派シンガーたちと積極的にコラボをするなど、韓国では幅広い層に名が知られている。彼らの演奏は、ヒップホップやエレクトロニカを取り入れるなど実験的でありつつも、常にスムースでメロディック。ジャズをポップスに昇華し、聴き手に届ける巧みさが光る。そんな彼らのステージに日本から土岐麻子が登場する。ジャズからポップスまで心地よく歌いこなす彼女との共演は、これ以上ない組み合わせだろう。ポップミュージックを愛するすべての人にとって、見逃せない特別なステージになるに違いない。
KARDI(カーディ)

先述した韓国のバンドブームの要因の一つには、2020年代初めに放送されたいくつかのバンド系サバイバル番組の存在がある。その一つ、『SUPER BAND』の中で結成されたKARDIは、ボーカル、ギター、ベースに加え、伝統楽器・コムンゴ奏者を擁する4人組だ。サウンドはヘヴィでパワフルなロックを基盤にしつつ、EDM的なダイナミズムやR&Bの滑らかさも柔軟に取り入れる現代的なもの。そこに跳ねるように響くコムンゴの音色が全体のアクセントとなり加わり、バンドの個性を作り上げている。またカリスマ性あるボーカル、キム・イェジの歌は、「自分を信じること」や「恐れず挑戦すること」を爽快に歌い続けており、10代、20代のリスナーの共感を呼んでいる。KARDIのステージには、デビューからすぐにグローバルな注目を集めているシンガーソングライターRol3ert(ロバート)が登場。力強いKARDIのサウンドと、クールな歌声を持つRol3ert。その対比がどんな化学反応を生み出すのか注目だ。
NUCKSAL×CADEJO(ノクサルxカデホ)

『SHOW ME THE MONEY』で準優勝するなど、実力と人気を兼ね備えたラッパーNUCKSAL。そしてR&B、ジャズ、ファンクを基盤にした、韓国インディシーンでは知らぬ者のいない3人組バンド、CADEJO。この両者のコラボプロジェクトNUCKSAL×CADEJOは、アルバム『Sincerely Yours』が韓国大衆音楽賞の最優秀ラップ / ヒップホップアルバム部門を受賞するなど高い評価を得ている。
CADEJOの予測不能なジャム演奏とそのグルーヴ。そこに呼応するようにNUCKSALのラップは時に緩やかに、時に息の荒いものに自在に変貌する。彼らの共演は単なるヒップホップバンドであることを超え、ジャズやブルースの即興演奏のようなスリルを持った、唯一無二のものだ。ライブでは自然と体が動き出し、コール&レスポンスを繰り返すうちに笑みがこぼれ、喜びが溢れる。リズムミュージックの根源的な楽しさを、「共に楽しめる」ステージになるだろう。NUCKSAL×CADEJOのステージには、彼らより一世代下となる2000年生まれのヒップホップデュオNeibissが参加する。世代も感性も異なる彼らが生み出す新しいグルーヴに期待すべきステージだ。
GLEN CHECK(グレンチェック)

幾度のメンバーの変化を経て、現在はキム・ジュンウォンとジェイボの2人組として活動するGLEN CHECK 。2011年にデビューした彼らは、韓国大衆音楽賞の最優秀ダンス&エレクトロニックアルバム部門を2作連続で受賞、2012年、2013年にはここ日本でも『SUMMER SONIC』に2年連続出演と、早くから高評価を得た。現在も韓国国内では現在も大型ロックフェスに引っ張りだこで、世代を超えてファンが多いバンドだ。
音楽的にはニューウェーブや2000年代後半のフレンチハウス、さらにはTwo Door Cinema Clubに代表されるダンスロックの影響を感じさせる。躍動感あふれるロックサウンドを基盤にしつつ、煌びやかなメロディや軽快なリズムを備えているそのポップさが魅力だ。彼らは単独でステージを繰り広げるようだが、ライブ定番曲”60’s Cardin”、日本のNetflixリアリティ番組『THE BOY FRIEND』のOSTに使われた”Dazed & Counfused”など、彼らの代表曲とともに、このイベントのクライマックスを熱狂させてくれるだろう。

NiEWでは過去にGlen Checkのインタビュー記事も掲載