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映画『違国日記』の親のような眼差しーーわかりあえない二人の同居譚

2024.6.7

#MOVIE

Ⓒ2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会
Ⓒ2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会

互いが自分らしさを変えないまま寄り添っていく

朝(早瀬憩)は両親の葬式後、ほぼ初対面だった槙生(新垣結衣)の家に身を寄せるようになる。片付けが苦手で散らかった家に住み、執筆に集中すると部屋に引きこもってしまう槙生は、朝がこれまで接したことがない「役割に縛られない大人」であり、二人は探り探り共同生活を重ねていく。

映画『違国日記』槙生と朝が距離を縮めていく本編映像

槙生の中学以来の友人である醍醐(夏帆)が家にやってきて一緒に餃子を作ってみたり、朝と槙生は仲を深めていくのだが、作品の中で朝は槙生に対して、二度怒りをぶつける。

一度目は二人が遺品整理のために訪れたマンションにおいてだ。槙生は朝を引き取る際、朝の母親である実里(中村優子)のことが心底嫌いだと半ば宣言のように告げるのだが、朝は槙生に母のことを好きになってほしいと話す。

二度目は槙生がなかなか打ち明けることができなかった、実里が朝に贈ろうとしていた日記の存在が図らずも知られてしまった時である。

Ⓒ2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会

素直に怒りをぶつける朝に対して、槙生はどこか慰めにはなりきらない自分の考えを伝えるから、口論にしてはどこか噛み合っていない印象も受ける。二人は話し合いによって何かが解決するわけでもなく、いつの間にか緊張状態が瓦解して普段の日常に戻っていく。

朝と槙生は違う人間であるが故に仲違いをするのだが、結局互いが互いを変化させることなく、不思議とまた一緒に暮らし始められてしまうのだ。

Ⓒ2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会

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