INDEX
「アーティストと呼ばれたい」という承認要求が原動力
City Your Cityの活動休止以降、TPはいくつかのプロジェクトにプロデューサーとして関わる一方、CM音楽の仕事に携わるように。そうしたプロジェクトもコロナ禍で一区切りつき、沸き起こってきたのが「自分の表現を認めてほしいという承認要求みたいな感覚」だったという。
TP:当時周りの人たちからはプロデューサーやCM音楽の人と思われていたけれど、東京に出てきた当時の「アーティストと呼ばれたい」という思いが蘇ってきちゃって。自分は片親だったんで、子供のころから親に認められない寂しさがあったんです。だから承認要求がちょっと高めなのかも。

2022年12月には本名である北野哲平名義で“パン”を配信リリース。当初はTPひとりで地道なライブ活動を行なっていたが、やがてHamachi(パーカッション)、久津間俊平(ベース)、谷崎健太(サックス)が加わり現在の編成に。TPがサンプラーでビートを出し、Hamachiが打楽器類とサンプリングパッドを叩くという現在のライブのスタイルに行き着く。その経緯をTPはこう話す。
TP:最初はジェイムス・ブレイクのイメージがあったから、サンプリングパッドだけ叩いてもらおうと思っていたんですよ。でも、やっていくうちにやっぱり生楽器を叩いてもらったほうがおもしろいような気がしてきて。今は生楽器のグルーヴを中心にしつつ、両方やってもらっています。ビートがあまり前に出ると他の楽器に対して支配的になっちゃうので、ハマちゃん(Hamachi)やベースの久津間(俊平)くんにはできるだけ自由にやってもらっていますね。サックスの谷崎(健太)くんも基本的に即興ですし。