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匿名でポップスをやっていたCity Your City時代
TPの出身地は敦賀湾に面した福井県南西部の敦賀市。
TP:歩いて2、3分で海に行けるような場所で、家の中でもいつも潮の匂いがするようなところで育ちました。友達から歌がうまいって言われていたし、音楽をやろうと思って高校卒業後に上京しました。RADWIMPSが好きで、当時は野田洋次郎になりたかったんですよ(笑)。

やがてビートミュージックやアンダーグラウンドなエレクトロニックミュージックに傾倒。2015年にはボーカルのK-OverとCity Your Cityというユニットを結成し、オルタナティブR&Bの雰囲気もあるポップなビートミュージックを作るようになる。
TP:大宮のヒソミネっていうライブハウスの店長をやってて、そこでひとりでライブをやり出すんです。当時はTPSOUNDという名義で、HUGENの原型みたいなことをやっていました。そんなころ、術ノ穴のレーベルオーナーであるKussyさんに声をかけてもらい、ボーカルのK-OverとCity Your Cityを始めるんですよ。術ノ穴はもともと埼玉拠点のアンダーグラウンドヒップホップレーベルという感じだったけど、泉まくらさんとかDOTAMAさんが出てきて、少しサブカル寄りになってたんですよね。なので、City Your Cityではあえてポップスをやろうと。
City Your Cityが奏でていたのは、ビートミュージックとポップスが交差する2010年代の東京のアンダーグラウンドシーンならではの音でもあった。当時のTPはアーティスト写真でも自身の顔を出すことなく、インタビューでも自身のルーツをまったく語っていない。いわばDaft Punk的な匿名的ユニットであった。City Your Cityは2017年にファーストアルバム『N/S』をリリース。にわかに注目を集めるものの、やがて活動を休止する。