グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
6月25日は、「お好み焼き系イラストレーター」のお好み焼き女ちゃんさんからの紹介で、コラージュアーティスト / ライターのKerocchiさんが登場。表現活動を始めたきっかけや、コラージュの手法のほか、ZINE『電柱を殴る』についても伺いました。
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さまざまな表現をする中で、残った1つがコラージュだった
Celeina(MC):まずはKerocchiさんのプロフィールをご紹介したいと思います。1997年兵庫生まれ、「生活を送る上で生まれる、自分で捉えられないモチャモチャした気持ちの悪い感情を、コラージュや文章、映像の中に再構築し、自分を把握、認識しようとしている」ということで。Kerocchiさんが表現活動をスタートされたのは、いつ頃なんですか?
Kerocchi:大学生の頃ですね。その頃はあんまり友達がいなくて、家族ともあんまり仲良くなくて。でも「何かやりたい」みたいな気持ちがあって、いろんな活動をしていました。それこそラジオをやってみたこともあるんですよ。『息切れラジオ』という名前で。
タカノ(MC):いいタイトルですね。
Celeina:ポッドキャスト的なものですか?
Kerocchi:YouTubeでやっていました。早歩きで歩きながら喋って、後半はほとんど息切れしているという。
タカノ:めちゃくちゃ面白いじゃないですか(笑)。
Kerocchi:コラージュはその中の選択肢の一つで、それがたまたま今も続いているという感じですね。
Celeina:実際にコラージュ作品をスタジオにお持ちいただいています。ちょっと見てもいいですか?
タカノ:すごく大きいですよね。サイズ的には50cm四方くらいの正方形です。
Kerocchi:バイト先がホームセンターなので、木材が落ちているんですよ。捨てられてしまうものなので、それを拾ってきて、その上に紙を貼っています。
Celeina:これは、雑誌の切り抜きなどを使われているんですか?
Kerocchi:ヴィンテージの雑誌を切り取って使うことが多いですね。


タカノ:Kerocchiさんは、美術系の学校に通われていたんですか?
Kerocchi:いや、美術は全然勉強していなくて。
タカノ:独学なんですね! センスが溢れています。
Celeina:コラージュの仕方もすごく細かくて、立体的にもなっていますね。


タカノ:これらの作品は販売されているんですか?
Kerocchi:販売もしています。売るのはなかなか厳しいんですけど。
タカノ:すごく芸術性が高いですよね。飾りたいです。
Celeina:家のお部屋とかにあったら、すごくインスピレーションが湧きそうな気がします。
Kerocchi:ありがとうございます。
タカノ:コラージュ作品はKerocchiさんのInstagramにも載っていますので、そちらもチェックしていただければと思います。
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誰もが持つダサい部分に、蓋をしないでいたい
タカノ:KerocchiさんはZINEも制作されているということですが、どのようなZINEなんでしょうか?
Kerocchi:『電柱を殴る』というタイトルのZINEです。普段、僕は真夜中によく電柱を殴っているので、そこからタイトルを取りました。
Celeina:本当の話なんですね!
Kerocchi:「自分の存在がここにあるのかわからない」みたいな感覚が常にあるんですが、電柱を殴ることで、その衝撃で「自分がここにいるわ」というのがわかるな、と思って。
タカノ:そういうことなんですね。内容はどんな感じなんですか?
Kerocchi:内容は、東京に来てからの暮らしのことを書いたエッセイです。元カノと笹塚駅でデートの待ち合わせをしていたけれど、9時間待っても来なかったとか、そういうダサい部分を書きたくて。
道を歩いている人たちは皆さん清潔な顔をされていますが、それぞれダサい部分とかを持っているじゃないですか。 そこに蓋をしてしまうと、もったいないなと思ったんです。そういうダサい部分を自分が書くことで、読んでくれた人が鼻で笑って、「こいつももがいて生きているから、私も頑張ろう」みたいに思ってくれたらいいなと思って書きました。
タカノ:ジャンル的に、純文学とか向いていそうですよね。
Kerocchi:本はあまり読んできていないんですよ。
タカノ:そうなんですか。よくこれだけの文章が書けるな、と思いました。
Kerocchi:実際に文章を書いたことはなかったのですが、頭の中では常に文章を書いていました。喋った後とかに、内容を文章に起こして、頭の中で添削して、反省してという感じで。それを紙に写す行為をしていなかっただけで、子供の頃から頭の中ではいつも文章を書いていた気がしますね。
タカノ:何か、昨日のお好み焼き女ちゃんさんと同じ匂いを感じます。ジャンルは違うんですけれど、天才的な空気感というか。