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ヴィンデージガジェットの魅力を発信するために、積極的にポップアップに参加するように
Celeina:始めるきっかけはあったんですか?
下嶋:会社を辞めて、過去の自分を改めて振り返ってみた時に、スケートボードを長く嗜んでいたので、ストリートカルチャーに関連した発信ができればなと思いました。その時に、昔はカセットテープで音楽を聴いていたけど、当時どういうデバイスを使っていたっけ? と思い返してみたんです。そして、まず最初に頭に浮かんできたのが「Shock Wave」で。
タカノ:「Shock Wave」は、パナソニックから発売されていたウォークマンのようなものですかね。
Celeina:カセットテープを差し込んで音楽を聴けて、ラジオも聞ける製品ですね。
下嶋:そうです。「Shock Wave」を使って、もう1回カセットを聴いてみたいなと思ったんですよ。まずメルカリやヤフオクなどのサイトで不用品を探したんですが、全部壊れていることがわかって。もう動くものがないんだなと思ったので、それなら直すしかないなと。業者に直してもらうか、自分でやるかの2択だったんですが、やっぱりまず自分でやりたいなと思ったんです。人が作ったんだから人が直せるだろうという安易な発想もあって、修理の仕方を調べて、見よう見まねでやってみました。そうしたら、最初にアメリカから輸入した「Shock Wave」6台のうち、4台を修理できたんですよ。
Celeina:すごいですね!
下嶋:まずやってみよう、ダメだったらまた次考えようという単純な発想でやったら、4台直せたので「これやべえな」と思って。1台は自分のものにして、残りの3台をメルカリで販売してみたら、すぐに完売してしまったんですね。「これちょっとイケてるんだ」と思って、そこから「Shock wave」だけでなく、僕らが当時買えなかった「SONY SPORTS」というソニーから出ていたカセットプレーヤーや、「SONY SPORTS」のウォークマン、ラジカセなど、扱う製品の幅が広がっていったんです。
こういったガジェットって、現代にはないプロダクトデザインだし、物としての力を感じたんですよ。なので、その魅力をもっと皆さんに発信したいなと思いました。発信する方法は、SNSを使ったりメルカリで売ったり色々あると思うんですが、それだとこちらが提示した後は待ちの姿勢になってしまうと思ったんです。もっと表に出なきゃいけないなと考えて、色々なところで盛んに行われていたポップアップに出店し始めました。 ポップアップで発信したことによって、世の中の人が、これがイケていると思っているんだということも実感できましたね。
Celeina:先ほど6台仕入れて4台直せたという話もありましたが、もともと修理や電気系の勉強をしていたわけではないんですか?
下嶋:全然ないです。本当に素人ですね。
Celeina:すごいですね! パーツを仕入れる必要もあると思うんですが、欠品しているパーツとかはないんですか?
下嶋:全部欠品していますね。パーツは自分で作る場合もあるし、「ニコイチ」というやり方をする時もあります。要は、壊れているものを2台用意して、いいとこ取りをして完成品を1台仕上げるんです。
タカノ:面白い。ちょっと新しい世界が開けるというか、やってみようという気になりますね。
下嶋:僕もできたので、皆さんもやろうと思えばできると思いますよ。