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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

ApeやZOOMERを担当。やまざきたかゆきは、買った人が自慢したくなるデザインを考える

2025.5.3

#OTHER

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

3月31日は、番組からの推薦で、元本田技術研究所のデザイナーで、「pdc_designworks」代表のやまざきたかゆきさんが登場。やまざきさんが考えるHondaイズムや、自身が手がけたTAMIYAのミニ四駆のデザインなどについて伺いました。

HondaでApeとZOOMERのデザインに関わった

タカノ(MC):今日はHonda Welcome Plaza AOYAMAから生放送でお送りしております。やまざきさんにとっても馴染みがあったり、思い出があるんじゃないですか?

やまざき:思い出というか聖地ですね。本社と研究所って場所が分かれていて、僕は研究所の人間なので、本社に行く時って、大概何かをやらかして怒られに行くことが多かったんです。Hondaで働いていた時から顔面ピアスだったので、怒られながら働いていたんですが、まずは入り口で警備員さんにすごく止められるんですよ。毎回、社員証を見せて「社員です」と説明していました。

Celeina(MC):じゃあ何となく背筋が伸びてしまうような感覚がありますか?

やまざき:当時は、姿勢を良くして、綺麗な作業服を着ていくようにしていました。

タカノ:ラジオで聞いている方に説明すると、やまざきさんはグリーンカラーのヘアをされていてすごく素敵なんです。

Celeina:お似合いです。

やまざき:「緑頭のハイパーデザイナー」という感じで、わかりやすいトレードマークになるようにこの髪色にしています。1度見たら忘れない感じでやらせてもらっています。

タカノ:そんなやまざきさんをお迎えしておりますけれども、今まで本田技術研究所のデザイナーとしてどんなデザインをされてきたんでしょうか?

やまざき:どれもチームでデザインをするので自分1人でやるということはないんですけど、量産機種がいっぱいある中で1番思い出深いのは、ApeとZOOMERですね。お客さんの中でApeとZOOMERを知っている方っていらっしゃいますか?

タカノ:(客席で手が挙がる)結構いますよね!

やまざき:800人くらいいらっしゃいますね。

Celeina:盛りすぎですね(笑)。

タカノ:ApeもZOOMERも、どちらもクールさの中にキュートさがあって、遊び心のあるデザインですよね。

やまざき:そうですね。僕自身、かわいいものが好きなんです。とはいえ、オートバイをかわいいくしすぎるのも少し違うというか。工業デザインのかっこよさというのは無条件にしびれるところがあるので、かわいさとメカのかっこよさを組み合わせると、比較的ああなりがちなんですよね。

タカノ:なるほど。ZOOMERはストリートでイケてる人が乗っているイメージがあります。

やまざき:本当にそこだけを狙っていますね。

間違いのない製品だけでなく、暴投のようなユニークな製品も出すのがHondaらしさ

タカノ:バイクのデザインは、どこから始めるものなんですか?

やまざき:人とかメーカーによっていろいろあるんですけれども、僕の場合は、例えば「50ccの原付バイクを作る」という企画が下りてきたら、どういう人がどういう場所で使うか、というところから考えます。あと1番大事にしているのは、それをどうドヤってくれるかですね。新しいものを買ったら「ちょっと見てこの時計!」なんて言って自慢したくなるじゃないですか。そういうシチュエーションを思い浮かべて漫画を描くんです。

タカノ:漫画を描くんですか!

やまざき:ZOOMERの場合は、原宿のイケてる美容師さんが店に乗っていくのに使うバイク、と想定していました。当時駐輪ができたので、原宿にずらっと並んでいたらさぞかっこよかろう、と思い浮かべていましたね。

タカノ:めっちゃわかりやすいですし、イメージが湧きますね。

やまざき:スケボーとかを積んでいてもかっこいいだろう、みたいな。そういうのを思い浮かべながら、ふさわしいデザインはどんなものなんだろうと考えていきます。その上で、コストとか機能面とか安全性とかを考慮しつつ、最後の味付けでHondaらしさを入れていくという作り方をしていますね。

タカノ:そう考えると、本当にクリアしなきゃいけない条件がいっぱいある中で、デザインしているんですね。

やまざき:そうなんです。ApeやZOOMERは特に社内でも揉めに揉めたというか、ラブヘイトが強かったんです。ただ、ちょうどいいタイミングで、社内に「若者プロジェクト」というのがありまして、「若い子たちに任せようや」と言ってくれる上司が何人かいらっしゃったんです。当時僕は若かったんで、「若い子の言うことを聞け」みたいな感じで作りました。

タカノ:いい社風ですね。

やまざき:まさにHondaイズムですね。「やればいいじゃん」みたいな。

タカノ:先ほどからHondaの皆さんからリクエスト曲やメッセージをいただいているんですけども、すごく真剣に、純粋にもの作りや人に対して向き合っている方が多いなという印象があります。その辺りもHondaイズムを感じますね。

やまざき:そうですね。僕は本当にギリギリ会えなかったんですけど、本田宗一郎に会って、しこたま怒られたり褒められたりしたかったなと思います。

Celeina:先ほどデザインをするにあたってのお話で、「最後に加えるのがHondaらしさだ」というお話がありましたけれども、Hondaらしさはどういった部分にあるんですか?

やまざき:まず当然ですけれども、品質とか性能みたいなものは折り紙付きで、あと僕の中では2つあると思っています。お客さんもそう感じているのかもしれないんですけど、間違いのないものを作るということです。例えば、絶対に速い、絶対に便利、絶対に人の生活を豊かにするとか、そういうものを作る。ただその反面、たまに暴投というか、「なんでこれ出した」みたいな製品も作るというのが、Hondaらしさだと思います。僕は暴投側の製品を担当することが多かったんですけど(笑)。

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