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身の回りの文化的な要素に影響を受けた個性の表現が「ストリートらしさ」につながる
Celeina:堀内さんがグラフィックデザイナーを志した原点はどこにあるのでしょうか?
堀内:父親がデザイナーで、自宅に仕事を持ち帰ることが多かったのですが、僕は手先が器用だったので、自然と手伝うようになりました。高校生の頃に、こういった仕事でお金を稼げるんだなと実感するようになったのが、デザインに関わり始めたきっかけですね。
Celeina:ストリートカルチャーとの接点はどのように生まれたのでしょうか?
堀内:1980年代にスケートボードを始めたことが大きいですね。当時のスケートボードの板には、シルクスクリーンによる鮮やかなグラフィックが施されていたんですが、当時は国産の板は無かったので、アメリカから輸入されたものをショップで見かけると、非常に興奮しました。あの時、スケートボードのビジュアルに対してゾクゾクした感覚が、デザインに対する初期衝動かもしれません。
タカノ:なるほど。実際にスケートボードをやりながら、ストリートカルチャーに密着しつつ、その流れでデザインの仕事にも携わるようになったのですね。1つ疑問なのですが、「ストリートらしさ」とは一体何なのでしょうか? どのデザインにも共通した「ストリート感」があるように思います。
堀内:個性の表現だと思います。定義みたいなことは難しいのですが、ストリートデザインの根底にはDIYの精神があり、「自分で作ること」に重きを置いていますよね。自分の中から出てくるものや、環境や影響を受けたもの、吸収したものが、そのままアウトプットされるのではないかなと思います。
Celeina:つまり、考えるよりも先に感じたものを素直に表現することが、ストリートデザインの本質なのですね。
タカノ:お互いの作品を見ながら、影響し合うことも重要な要素なんですね。
堀内:まさにそうですね。聴いている音楽、目にするアート、身の回りの文化的な要素が自然と表現に影響を与えると思います。スケーターはデッキのデザインも見たりしますし。そういったものがアウトプットされていくんだと思います。
HIKARUさんの場合、頭の中が完全におもちゃとパンクロックで構成されているような人物なんですが、それがそのまま「BOUNTY HUNTER」のロゴに反映されています。ちなみに、今年4月には「BOUNTY HUNTER」の30周年イベントを開催する予定で、当時からの仲間やアーティストが集まり、作品を展示する予定です。
タカノ:イベントの詳細情報はどちらで確認できますか?
堀内:まだ正式なプレスリリースは発表されていないんですが、「BOUNTY HUNTER」の公式サイトで確認していただければと思います。会場は神保町のNew Galleryでやる予定です。
タカノ:楽しみにしています。