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オリジナルコーヒー「Piment Coffee」を制作
Celeina:そんな1年を経て、昨年中盤にはご自身でオリジナルコーヒーの制作を始められたんだとか?
川村:「Piment Coffee(ピーマンコーヒー)」という名前のコーヒーを作りました。名前はふざけていなくて、僕、小さい頃はピーマンが苦手だったんですよ。でも大人になって、気づいたら大好きになっていて。そんなコーヒーにしたかったんです。だからこのコーヒー自体も、僕と同じようにコーヒーが嫌いな人、飲めない人に向けて作っているという感じです。このコーヒーを飲んでコーヒーを好きになってもらって、2杯目はもう違うコーヒーを買ってもらって構わないみたいな。そういうスタートのコーヒーにしてほしいな、というすごく優しいコンセプトで作っています。
Celeina:そして、「Piment Coffee」をスタジオに持ってきていただきました! これすごいですよね。とてもまろやかなのにちゃんと存在感もあって、こんなコーヒーがあるんだと思いました。
タカノ:香りが豊かなんですよ。飲みやすいのに、すごく香りの余韻が残るんですよね。
川村:そんなことを言っていただけて、本当に来てよかったです。
Celeina:香りの余韻が残るの、すごくわかります。口当たりはまず柔らかいですよね。苦味とか酸味が強いコーヒーではなくて、まろやかさが最初にきて、飲み込んだ後に軽やかさと奥深さが抜けていく感じがします。
川村:どんどん感想が出てくる、すごく嬉しいです。
タカノ:このコーヒーはどうやって作ったんですか?
川村:入口がまろやかというのは、本当に狙い通りです。ただコクがなくなると、コーヒーじゃなくなっちゃうんですよね。苦手な人のために作ろうと思うと、どうしても苦味の成分をなくすことにフォーカスしちゃいそうになるんですけど、コクと飲みやすさの両立を目指して、半年くらいずっと試行錯誤していました。
タカノ:いいバランスを見つけたんですね。
Celeina:この豆のブレンドとかもご自身でやられているんですよね?
川村:ブレンドは「ゲイシャ」という有名な豆をメインに、4種類の豆を入れています。
Celeina:「ゲイシャ」ってお高い豆ですよね。
川村:そうなんです。ちょっと高くて、全然収益にはなっていないけども、皆さんにスペシャルな日を過ごしてもらいたいという思いで使っています。「ゲイシャ」の中でも、「パナマ産アウロマールゲイシャ」というのを使っています。あとはみんな知っている「ブルーマウンテン」も入っています。僕、「ブルーマウンテン」自体はそんなに好みではなかったんですけど、ブルーマウンテンの中でも「ウォーレンフォード種」という、ミルクチョコレートみたいな味がするものを使っています。その他、インドネシアのちょっと変わった名前の「バリ神山」と、ブラジルの「キャラメラード」が入っていますね。焙煎の温度をそれぞれ変えたりして、やっとたどり着いたのがこのコーヒーという感じです。
タカノ:コーヒー嫌いだった人が、1年ちょっとでこんなに詳しくなるんだというのが驚きですね。のめり込み具合がやっぱりすごいです。
川村:本当にもう、他のことにはのめり込まないようにしました。