グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
1月22日は、映像監督の河合宏樹さんからの紹介で、ダンサーで振付家の小暮香帆さんが登場。既存の動きに捉われないコンテンポラリーダンスの魅力や、ミュージシャンとの即興セッションの裏側、小暮さんが考える見る側の心構えについても伺いました。
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コンテンポラリーダンスは、既存に捉われず新しい身体の動きにアプローチする
Celeina(MC):まずは小暮さんのプロフィールを紹介させていただきます。6歳から踊りを始め、国内外で自身の作品を発表しながら、劇場や音楽フェス、メディアなど様々な領域で活動中です。近年はミュージシャンを始め、他ジャンルのアーティストとのコラボレーション、映画や映像作品への振付、出演やパリコレクション出演など、活動の幅を広げています。
タカノ(MC):小暮さんのInstagramを拝見したのですが、めちゃくちゃかっこいいですね。
小暮:お恥ずかしいです。ありがとうございます。不思議な、変なダンスをしています。
タカノ:頭の上からつま先まで、全身を使って踊っているんですね。
Celeina:惹きつけられますよね。小暮さんはご自身で、ダンスのスタイルはどういった言葉で表現されていますか?
小暮:コンテンポラリーダンスということで活動しています。説明が難しく、定義があまりないダンスなのですが、「コンテンポラリー」を日本語に訳すと「現代の」という意味がありまして。既存のダンスに捉われない、新しい身体や動きのアプローチを探して、更新し続けられているダンスなのかな、と考えています。
タカノ:ジャンルに捉われないことがジャンルになっているんですね。
小暮:そうなんです。例えばバレエだと、つま先を伸ばすとか動きがメソッド化しているんですけど、そこをあえて違う形にして、そういうふうにして生まれた表現がコンテンポラリーダンスになります。振付家や演出家、ダンサーの個性によって表現が違うんです。
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ミュージシャンとの即興セッションは音の波に乗って表現する
タカノ:小暮さんは6歳から踊りを始められたんですよね。
小暮:元々はモダンダンスとクラシックバレエを習っていたんですが、舞踊学を学べる大学に行って、様々なダンスの授業がある中でコンテンポラリーダンスと出会いました。こんな世界があるんだなと思って、気がついたら今に至ります。
Celeina:最近の活動では音楽フェス『FRUE』にも出演されたということなんですが、こちらはどのような経緯で出演されたんですか?
小暮:『FRUE』は2日間あるフェスなのですが、2日目の朝に、グラスステージという地面が芝生の気持ちの良い空間でワークショップをして欲しいということで、お話を頂いたのがきっかけですね。朝はワークショップをやって、最後はターンテーブルセッションに出演しました。
タカノ:ターンテーブルセッションとは何ですか?
小暮:80分間の枠があり、全て即興でセッションをします。ミュージシャンもダンサーもぶっつけ本番なんです。元々ニューヨークで、ドラマーのビリー・マーティンさんとDJ OliveさんがドラムとDJのターンテーブルセッションというものをされていたんですが、今回はそこにアマーロ・フレイタスという素晴らしいピアニストの方を迎えて、3人でセッションしました。
タカノ:そこに小暮さんも加わって、4人でセッションをしたのですか?
小暮:そうですね。みなさんと顔合わせをしたのは本番の30分前くらいでした。サウンドチェックをしている時に、どういう感じかなというのを確認して、ぶっつけ本番でそのままステージに立ちました。度胸試しですね(笑)。
Celeina:すごいですね! その場で初めて音を聞いて、それを小暮さんなりに身体の動きに変えて、ダンスを披露するということですもんね。
タカノ:ジャズっぽいからこうしようとか考えながらやっているんですか? それとも身体が先に動いているんでしょうか?
小暮:気持ち良い音楽が流れていると、自然と身体が引っ張られて乗っていくこともあります。でもセッションは、アーティストの中で色んな駆け引きがあるので、あえて止まってみたり、音に対して対照的な動きをしてみたり、沿うように動いたり、全く別のアプローチで動いてみたりしつつ、試しながら踊っていました。
Celeina:セッションの中に入るのは、ボーカルだけでも緊張すると思います。小暮さんは音ではなく身体ごとセッションに入るというところで、プレッシャーは感じますか?
小暮:緊張はしましたし、どうなるんだろうという気持ちはありました。でも本番中は、音が迎え入れてくれているような時間があったり、展開が早かったり流れがあるので、サーファーのように音の波に乗るように過ごしていました。