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ミュージシャンとの即興セッションは音の波に乗って表現する
タカノ:小暮さんは6歳から踊りを始められたんですよね。
小暮:元々はモダンダンスとクラシックバレエを習っていたんですが、舞踊学を学べる大学に行って、様々なダンスの授業がある中でコンテンポラリーダンスと出会いました。こんな世界があるんだなと思って、気がついたら今に至ります。
Celeina:最近の活動では音楽フェス『FRUE』にも出演されたということなんですが、こちらはどのような経緯で出演されたんですか?
小暮:『FRUE』は2日間あるフェスなのですが、2日目の朝に、グラスステージという地面が芝生の気持ちの良い空間でワークショップをして欲しいということで、お話を頂いたのがきっかけですね。朝はワークショップをやって、最後はターンテーブルセッションに出演しました。
タカノ:ターンテーブルセッションとは何ですか?
小暮:80分間の枠があり、全て即興でセッションをします。ミュージシャンもダンサーもぶっつけ本番なんです。元々ニューヨークで、ドラマーのビリー・マーティンさんとDJ OliveさんがドラムとDJのターンテーブルセッションというものをされていたんですが、今回はそこにアマーロ・フレイタスという素晴らしいピアニストの方を迎えて、3人でセッションしました。
タカノ:そこに小暮さんも加わって、4人でセッションをしたのですか?
小暮:そうですね。みなさんと顔合わせをしたのは本番の30分前くらいでした。サウンドチェックをしている時に、どういう感じかなというのを確認して、ぶっつけ本番でそのままステージに立ちました。度胸試しですね(笑)。
Celeina:すごいですね! その場で初めて音を聞いて、それを小暮さんなりに身体の動きに変えて、ダンスを披露するということですもんね。
タカノ:ジャズっぽいからこうしようとか考えながらやっているんですか? それとも身体が先に動いているんでしょうか?
小暮:気持ち良い音楽が流れていると、自然と身体が引っ張られて乗っていくこともあります。でもセッションは、アーティストの中で色んな駆け引きがあるので、あえて止まってみたり、音に対して対照的な動きをしてみたり、沿うように動いたり、全く別のアプローチで動いてみたりしつつ、試しながら踊っていました。
Celeina:セッションの中に入るのは、ボーカルだけでも緊張すると思います。小暮さんは音ではなく身体ごとセッションに入るというところで、プレッシャーは感じますか?
小暮:緊張はしましたし、どうなるんだろうという気持ちはありました。でも本番中は、音が迎え入れてくれているような時間があったり、展開が早かったり流れがあるので、サーファーのように音の波に乗るように過ごしていました。