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「東京ディープチャイナ研究会」代表・中村正人は、「ガチ中華」の魅力を発信する

2025.1.8

#OTHER

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

12月17日は、お粥研究家の鈴木かゆさんからの紹介で、「東京ディープチャイナ研究会」代表の中村正人さんが登場。21世紀の現代中華料理「ガチ中華」の魅力や、情報発信やイベントをするようになったきっかけ、料理だけではない中国カルチャーについて伺いました。

21世紀の現代中華料理「ガチ中華」を研究

タカノ(MC):「東京ディープチャイナ研究会」では、町中華ならぬガチ中華を研究されていると伺ったのですが、ガチ中華とは一体何なんでしょうか?

中村:研究というほど大層なことではないんですが、ガチ中華って一言で言うと、21世紀の現代中華料理なんです。中国の経済が発展したことによって、上海とか北京といった都会だけではなくて、雲南省とか湖南省とか、そういう地方の料理もどんどん豊かになって、新しい料理が生まれてきたんです。そういった料理を中国に行かずに、東京で食べられる時代が7、8年前から始まっているんです。

長井(MC):とても気になります。

中村:なぜ東京で食べられるようになったかというと、中国に限らず台湾とか東南アジアとか、いわゆる中国語圏の若者が留学だったり働くために、東京を中心にやってきたからです。彼らが顧客になったから、彼らが満足する料理を出す店がどっと増えました。今は首都圏でおそらく1000軒ぐらいあります。

タカノ:そんなにあるんですか! ということは、日本人向けではないってことなんですね。

中村:そうです。もともと日本人向けの中華って日本人の口に合わせてローカライズされているんですが、ガチ中華は、海外から来た人たちの口に合わせているので、僕らが知らない未知な料理がすごく沢山あるんです。

長井:だからガチ中華なんですね。

中村:そうですね。

長井:この「東京ディープチャイナ研究会」は、具体的にどんな活動をされているんですか?

中村:基本的にはガチ中華の店が増えてきたので、それを実際にみんなで食べたり、情報交換したりしています。SNSでゆるく繋がったコミュニティで、みんなが「今日こんなものを食べたよ」というのを投稿したり、「ここのお店いいから食事会やろう」と提案したり、100人ぐらい集めてイベントをしたり、ガチ中華まち歩きツアーをやったり、色んなことをやっています。

タカノ:なるほど。ガチ中華ってどこから始まったんですか?

中村:東京の中でお店が一番多いと言われているのは池袋とか上野とか、あと高田馬場ですね。池袋は2000年前後ぐらいからガチ中華のお店が始まっているので、最初にガチ中華ができ始めた場所なんです。

長井:なぜ池袋がガチ中華の聖地になったのでしょうか?

中村:1980年代の後半ぐらいから、日本に中国系の人たちが来始めているんですけど、そこからの歴史があるんです。詳細は「Forbes JAPAN」というサイトで記事を書いているので、そこを読んでいただければと思います。

タカノ:高田馬場とかは、言われてみれば留学生が多いですね。

中村:そうなんです。日本語学校があるので中国の留学生が多くて、今の中国の方たちは経済力もあるし、新しいお店ができるんですよね。

コロナ禍の池袋で見つけた「ガチ」な中華料理店が運命を変えた

長井:この「東京ディープチャイナ研究会」を作られた経緯はどういったところだったんですか?

中村:僕はもともと編集者で、書籍雑誌とかをやっているんですが、色々な仕事をしている中で、旅行ガイドブック『地球の歩き方』の中国を担当していたんです。だからコロナ禍前は年に4、5回は取材で中国に行っていたんですよ。そこで色々な経験をしたんですが、コロナ禍になって、突如どこにも行けなくなって。どうしようと思ってふと池袋の街を歩いていたら、今まで日本になかったようなガチな中国料理のお店がいっぱいあることが分かって、一生懸命調べて『攻略! 東京ディープチャイナ』という本を書いたんです。同時に、Facebookで「こんなものを食べたよ」と投稿していくと「なにそれ?」と反応がきて、それでみんなで食べに行こうみたいな流れでコミュニティができたのがきっかけです。

長井:コロナ禍ですごく大変だった中でも、ガチ中華というきっかけを見つけて、人々がまた集まり始めたんですね。

中村:とてもディープだなと思って。なんでこんな見たことがない料理が東京にあるんだって驚きました。

タカノ:池袋からスタートして、池袋で街歩きとかをやられているそうですね。

中村:本を書いたり、色んなメンバーの人たちに色んなお店の食レポを書いてもらって、それを『東京ディープチャイナ』というWEBサイトで公開しているんですが、色々な情報発信をしてもなかなか伝わらなくて。なので、自分がここのお店は何料理だとかって案内するツアーをやろうと思って、今年の2月ぐらいから毎月1回まち歩きツアーをやっています。池袋の狭いエリアに120件くらいお店があるんですが、そこを大体1時間半ぐらい歩いています。

タカノ:それは誰でも参加できるものですか?

中村:毎月1回、いつやりますよというのをSNSで告知すると2、3日ですぐ埋まりますね。1月25日と26日には豊島区のイベントとして、まち歩きツアーだけでなく、ガチ中華についてのトークイベントも行うんです。

タカノ:「東京ディープチャイナ研究会」に入会するためにはどうすればいいですか?

中村:SNSでゆるく繋がっているだけなので、会員番号を作ったりとかはしていなくて。Facebookに自分のガチ中華体験とか、見つけたお店を投稿してくださいって言っているんです。そうやって投稿していくうちにみんなが自然に知り合ったりして、そのうち『東京ディープチャイナ』のライターになってもらうこともありますし、自分でイベントを企画する人も現れるし、結構コミュニティがあって集客もできるので、勝手に皆さんがどんどんやるグループになっていますね。

ガチ中華に興味のない人も参加した謎解きイベント

タカノ:謎解きイベントみたいなものもやられていると伺ったのですが。

中村:いわゆる謎解きイベントって、あまり知らないところにもゲームがあるから行くという導入にもなっているので、謎解きのキットを買ってもらって、池袋のガチ中華がいっぱいあるところをみんなに歩いてもらったんです。謎解きイベントを始めたら、ガチ中華に興味ない人も参加してくれたり、夏休みは子連れのお母さんとかも参加したり、不思議な盛り上がりを見せています。

長井:ガチ中華に関する謎が何なのか気になりますね。

タカノ:今日謎解きのキットを持ってきていただいているのですが、『池袋ディープチャイナミステリー幻の中華料理を探す旅』というイベント名で。めちゃめちゃおもしろそうですね。

中村:それぞれのお店の看板に謎解きの仕掛けがあって、QRコードを読み取って、1個1個解いて答えをLINEに入れていくと正解したら次に行けて、10ヶ所ぐらいクイズを解いて最後まで行くと、中華スイーツの景品が出るんです。

タカノ:杏仁豆腐とかですか?

中村:もっとすごいです(笑)。

長井:参加してのお楽しみですね。

料理だけではない、日本に来た中国のカルチャーをピックアップ

長井:「東京ディープチャイナ研究会」はグルメ以外の中華カルチャーもピックアップされているんですよね。

中村:僕たちのコミュニティは中国文化に興味がある人たちが多いので、最初は食を楽しんでいたんですが、ここ最近は、中国から料理やお店が沢山来ているのと同じように、色んなサブカルチャーとか音楽とかも日本に入ってきているんです。今年の夏は六本木に「SCHOOL LIVE&BAR TOKYO 」というライブハウスができたり、銀座に「単向街書店」っていうブックカフェができたりしました。全部中国にもともとあるんですが、それが東京にもできたんです。そこでトークイベントをやったりもしていますし、「SCHOOL LIVE&BAR TOKYO」では中国からパンクバンドが来てライブをしていて、すごかったですよ。

タカノ:中国のパンクバンドは気になりますね。研究会という名ではありますけどメディアっぽい役割をしていますね。

中村:そうですね。

タカノ:「東京ディープチャイナ」のXなど、アカウントのフォローを皆さんぜひお願いします。さて「FIST BUMP」、グータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達を紹介してもらっています。中村さんがご紹介してくるのはどんな方でしょうか?

中村:「羊齧協会」の菊池一弘さんです。海外では羊をすごく食べるし、中国でもよく食べるのですが、なぜ日本は羊をもっと食べないんだと思い立って、羊肉食を促進する活動をやっている方です。

タカノ:これは明日も楽しみですね。

中村:『羊フェスタ」というイベントとかもやっていて、何万人か集まりましたよ。

タカノ:詳しくはまた明日聞いてみましょう。明日は、「羊齧協会」の菊池一弘さんに繋ぎます。「FIST BUMP」、今日は「東京ディープチャイナ研究会」代表の中村正人さんでした。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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