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「絶滅メディア博物館」館長・川井拓也は、メディアを通じて当時を思い出せる場を作る

2024.12.28

#OTHER

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

6月17日は、「絶滅メディア博物館」の館長・川井拓也さんが登場。CDやレコードなどの音楽メディアの歴史や、キュレーションのこだわり、お気に入りの「絶滅メディア」について伺いました。

CDやカセットで辿る音楽メディアの歴史

タカノ(MC):先週「絶滅メディア博物館」に行ってきたんですが、あの時ああだったなみたいに色々と思い出しました。

川井:「絶滅メディア博物館」では、カセットテープやMD、8トラック、6ミリカセットなどの絶滅に瀕しているメディアを集めています。プラス、ビデオカメラやオーディオプレーヤーなどの再生機器を含めた1500点ほどを展示していまして、全てを触っていただけるようになっています。

Celeina(MC):実際に触れることで思い出にアクセスできますよね。

タカノ:今日はスタジオにもアイテムをお持ちいただいています。

川井:J-WAVEは音楽好きの方が多いと思うので、CDやカセットテープなど音楽メディアの歴史を辿れるものを持ってきました。

タカノ:MDだ! すごく久しぶりに見ました。

川井:カセットは余白にラベルが書けるんですけど、MDは細すぎてラベルが書きづらいんですよね。MDは家にある方も多いと思うんですが、これはどうですか?

タカノ:大きいカセットテープみたいですけど……。

川井:エルカセットという、6ミリテープをカセット状にしたものです。カセットはメタルテープが生まれるまでは会話を録音するためのもので、音楽用ではなかったんです。音質も良くなかったので、オープンリールをカセット状にしようとしていたら、メタルテープが誕生して衰退してしまったんですよ。

タカノ:カセットテープよりも大きいですが、ビデオテープよりは小さいサイズ感です。

Celeina:ぱっと見、映像が入っているのかなと思いました。

川井:オーディオの歴史は面白くて、例えばこちらは8トラックという1本のテープの中に8本トラックを収めたものです。曲を選ぶこともできたので、バスのアナウンスに使われたりもしていたんです。

タカノ:改めて見てみると、ファミリーコンピューターのカセット2個分くらいのサイズで大きめですよね。

川井:そう。8トラックはエンドレステープなので、早送りや巻き戻しができなくて、再生か一時停止しかできないんですよ。

Celeina:それぞれ特徴があるんですね。

「あの頃を思い出す」展示のレイアウト

タカノ:「絶滅メディア博物館」は展示品の8割が寄贈品とお聞きしていますが、どのような方が寄贈されるんですか?

川井:断捨離掃除で出てきたものを寄贈してくれる方もいますし、お父さんが大切に使っていた蛇腹のカメラがあるんだけど、私は分からないから保管してくださいという方もいらっしゃいますね。

Celeina:キュレーションの基準は?

川井:基準は設けていないので、皆さんに寄贈していただいたものを僕が並べている感覚です。キュレーターは皆さんなんです。

タカノ:各コーナーで分類されているのが良いなと思います。川井さんがお持ちのそちらのアイテムは、ダッシュボタンですよね?

川井:そうですね。ボタン1つ1つに洗剤やペットフードの名前が記載されていて、このボタンを押すと翌日Amazonから商品が届くというボタンです。2015年に発売されたアイテムなんですが、2019年にサービスが停止してしまいました。

Celeina:押していいですか? 明日洗剤届いちゃいますかね(笑)。

川井:ずっと同じ商品を買い続けていても、ある時別のものに変えたくなったり、セールの商品を買いたくなったりするじゃないですか。だから、便利ではあるんですけど、1品ものなのがネックかなと。

タカノ:いろいろなものに触れられるのが魅力だと感じました。メディアの歴史だけではなく、自分史を追っている感覚もありますよね。

川井:ガラケーやMD、カセットテープ、ウォークマン、それぞれの世代に思い入れがあると思いますし、「これで聴いていたな」とあの頃を思い出すことができるように展示をレイアウトしています。

タカノ:30、40代の方は、MDにプレイリストを作ってあの子に貸した甘酸っぱい学生時代の思い出が蘇りますよね。

川井:あとは、ガラケーに使える外付けキーボードで長文を打って返信していた思い出もあります。

タカノ:友達が持っていました! 僕はウィルコムの「W-ZERO3」を大学時代に持っていたことを思い出しました。

川井:PDAの後期のアイテムですね。昔はPDAも多様な種類があったんですけど、大体iPhone以降駆逐されてしまったんですよ。「スマホでいいや」となってしまった。でも、黎明期はカンブリア大爆発のように、デザイナーも企業も新しいものを次々にリリースするんです。最近だとレトロなカメラにトレンドが帰ってきているように、最終的に1つに集約されてしまう。僕はその集約される前の試行錯誤している時期が好きなんです。

お気に入りの絶滅メディアはFM文字多重放送

タカノ:無駄にスライド機能やタッチパネルが付いていたりと、デザインの観点からも面白いなと。川井さんが好きな「絶滅メディア」を教えてください。

川井:FM文字多重放送です。今はラジオで流れている楽曲もインターネットで簡単に検索ができますが、当時はインターネットも貴重だったのでFMの中に曲名を入れて、それを受信する端末を売っていたんです。こちらはその受信ボードで、中古屋を100店舗ほど見つけて手に入れました。

Celeina:貴重な品ですね。「絶滅メディア博物館」では寄贈も募集しているので、ぜひチェックしてみてください。さて、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいているのですが、西塚さんがご紹介してくださるのはどんな方ですか?

川井:平成レトロを愛する山下メロさんです。平成レトロに関するアイテムを収集しているコレクターで、僕の師匠でもありますね。

Celeina:明日も楽しみです。今日は「絶滅メディア博物館」の館長の川井拓也さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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