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シカゴの人が食べても「これは本物だ」と言ってもらえるようなホットドッグを作りたい
Celeina:そもそもホットドッグを作り始めたきっかけは何かあったんですか?
塩川:まず、うちの妻が10年働くと3ヶ月休暇が取れるという素晴らしい会社で働いていまして。その3ヶ月の休暇を利用して、語学留学でもしたらと勧めたんですけど、その留学先がシカゴだったんですよ。僕もマイケル・ジョーダン(Michael Jeffrey Jordan)世代ですし、ヒップホップやシカゴハウスなどの音楽を聴いて育ってきたので、シカゴに興味があって。妻が3ヶ月留学している間の1週間、『ロラパルーザ(Lollapalooza)』という有名なフェスに合わせて僕もシカゴに遊びに行ったんです。アメリカはニューヨークしか行ったことがなかったんですが、その時にシカゴがすごく気に入ったんです。その時に食べた名物のホットドックがとても美味しくて、記憶に残ったんですよね。
当時は洋服屋をやっていたんですけど、あまり上手くいかなくなってきて、次に何をやろうかなと思った時に、シカゴスタイルのホットドックをまず作ってみようと思いつきました。ただ、ビーフのソーセージがまず日本にないんですよ。
タカノ:いや、そうですよね。
塩川:ソーセージの工場に外注するにも、ロットの問題などを考えると怖いなと思って、まずは自分でソーセージを作り始めて、色々やっていたらこういう形になった、という感じです。
タカノ:ホットドッグを作り始めた時に聞いた、印象に残っている言葉があると伺いました。
塩川:うちの妻がオンラインの英会話をずっと続けていて、シカゴ出身の先生から習っていたんです。そのシカゴ出身の先生に「夫がシカゴスタイルのホットドッグ屋を始めようとしているんだ」と話した時に、「素晴らしいじゃないか」と言ってもらったそうです。さらに、「シカゴの人間にとってのホットドックは、君たちにとってのラーメンと一緒で、単なる食事じゃなくて、カルチャーなんだ」と言っていたと聞いて、これはちょっと中途半端なものを作れないぞと思いました。日本でも、ポークのソーセージを使ってシカゴスタイルと謳っているお店もあったりするんですけど、ちゃんとシカゴの人が食べても「これは本物だ」と言ってもらえるようなものを作りたいなと思ってお店をやっています。
タカノ:素晴らしいです。