グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
11月5日は番組からの推薦で、ゲームライターのタナカハルカさんが登場。タナカさんが共同監修を務めた『海外ゲーム音楽ガイドブック』の内容や、ゲーム音楽の魅力について伺いました。
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ゲームへの愛をメールに込めて、ゲームメディアの世界へ
Celeina(MC):ゲームは昔から好きだったんですか?
タナカ:子供の頃からゲームが大好きで、今にかけてずっとやっています。
タカノ(MC):それがお仕事に繋がっているなんてすごいですよね。
タナカ:そうですね。いろいろな巡り合わせがあったり、運もあったりして、今のお仕事をやらせてもらっていますね。
タカノ:ゲーム好きでもゲームライターになれる人って一握りじゃないですか。その経緯もお聞きしたいです。
タナカ:気合いがあれば誰でもできます(笑)。
タカノ:いやいや。ゲームに関わるお仕事の初めの一歩は何だったんですか?
タナカ:大学に通っていたんですけど、自分に合わなくて辞めたいなと思っていたんです。そうしたら働かなくてはいけないので、ゲームが好きだし、書くことも比較的得意だったので、ゲームメディアの面接をまず1つ受けてみたら、そこに受かったんです。そこでイチから丁寧に教育してもらって、今はフリーライターとして活動しています。
タカノ:ゲームメディアが一歩目だったんですね。
Celeina:1社目で受かったんですよね。運命だったんですね。
タナカ:メールで応募したときに、好きなゲームを紹介してくださいという欄があったんです。普通は200文字程度だと思うんですけど、経験がないから5000文字くらい書いて提出したんですよね。
タカノ:論文のレベルですよね。
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多くのゲーム音楽がサブスクで聴ける環境を利用した『海外ゲーム音楽ガイドブック』
Celeina:11月15日に発売される、『海外ゲーム音楽ガイドブック』という書籍の共同監修を務められたそうですね。こちらはどういった書籍なんですか?
タナカ:まず前提として、日本にはめちゃくちゃいいビデオゲームの音楽の本っていっぱいあるんですよ。そこと差別化するために、海外のゲームを選びました。ゲームって、「Steam」というプラットフォームで、年に1万本以上リリースされているんですよ。
Celeina:そんなに!?
タナカ:無数にあるんですよ。その歴史を整理することが1つ。あとは、今のゲーム音楽はサブスクでも配信されているので、調べたらすぐに聴ける環境になっているんです。なので、この本を読んで気になったゲーム音楽はすぐに聴ける、というところをコンセプトに作った本になっております。
タカノ:ガイドブックを見ながら、気になったものはすぐにアクセスして。
タナカ:そういう風に使っていただけるとありがたいです。
タカノ:めちゃくちゃいいですね。でも、そんなに数があると大変だったんじゃないですか?
タナカ:そうですね。でも共同監修者の糸田さんの力があったので、完成できました。僕は糸田さんのブログや本も読んでいて、すごい方だなと思っていたので、声をかけました。
Celeina:タナカさんが声をかけられたんですか?
タナカ:そうですね。もともと僕がディスクユニオンさんからお声がけいただいていたんですけど、1人だと難しそうだったので糸田さんを呼びました。
Celeina:タナカさんって行動力ありますよね。
タカノ:本当にすごいですよね。
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台湾のインディーゲームは、歴史や政治を取り入れた作品が多いのが特徴
Celeina:海外にフォーカスを当てているということですが、担当された国はあるんですか?
タナカ:僕は特に台湾のインディーゲームがすごく好きなので、そこは結構ノリノリで、気合いを入れて書けましたね。
タカノ:台湾のゲームシーンってどうなっているんですか?
タナカ:台湾もゲームの歴史は結構長いんですよ。今はインディーゲームがすごく増えているんですが、特に台湾の歴史やアイデンティティ、政治を取り入れた作品がとても多いんです。そういうところが台湾のインディーゲームの特徴なんじゃないかなと思いますね。
タカノ:社会派のゲームが多いんですね。
Celeina:その中でも台湾ゲームの音楽はどんな感じなんですか?
タナカ:例えば、映画化もされている『返校』というゲームがあるんです。
Celeina:ちょっと待ってください。ゲームが映画化されているんですか?
タナカ:そうなんです。ちなみに映画化されたときのインタビューを僕が担当しているので、よかったら調べてみてください。『返校』は白色テロという、実際にあった政治弾圧をテーマにしたホラーゲームなんです。日本でも昔からある怪談の怖さを取り入れたゲームってあるじゃないですか。その恐怖と白色テロの恐怖を重ねた作品なんです。台湾ではお葬式にマーチングバンドを呼ぶんです。現地の言葉で西索米(シソミ)というんですけど、その西索米が奏でている台湾の伝統的な音が使われたゲームになっているんですよ。
Celeina:音楽を通じてカルチャーも知ることができるんですね。
タナカ:そうなんです。
タカノ:面白い! 『海外ゲーム音楽ガイドブック』、読んでみたいですね。
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ギャグを主体としたノベルゲームを制作
Celeina:そしてこの書籍ではゲーム音楽のコンポーザーさんも紹介されているということですが、タナカさんが特に気になっているコンポーザーはいるんですか?
タナカ:僕が大好きなコンポーザーはカルム・ボーエンというイギリスを拠点に活動しているコンポーザーです。bo enという名義でトラックメーカーとしても活動していて、そこそこ有名な人なんですよ。日本でもMaltine Recordsから楽曲をリリースしたりしていて。
タカノ:bo enさんですよね。マルチネで僕も聴いていました。
Celeina:タカノさんは音楽の文脈で知っているんですね。
タナカ:今はゲーム音楽をメインにされているんですよ。
Celeina:気になりますね。そしてもう1つ伺いたかったのが、タナカさんは最近ゲーム制作を始められたんですよね。毎日お忙しいんじゃないですか?
タカノ:どんなゲームなんですか?
タナカ:ジャンルとしては、「ネオ昭和えせアドベンチャー」です。
タカノ:「ネオ昭和えせアドベンチャー」?
タナカ:分かりづらいですよね。基本的にはギャグを主体としたノベルゲームです。テンポとかギャグの間合いとか、クリックする気持ちよさを重視したノベルゲームになっています。『ふりかけ☆スペイシー』で検索してもらうのが一番分かりやすいかと思います。
タカノ:気になりますね。
Celeina:こちらはSteamで購入できるんですか?
タナカ:そうです。買ってください!(笑)
Celeina:さあ「FIST BUMP」、グータッチでつなぐ友達の輪ということでお友達を紹介してもらっています。タナカさんがご紹介してくださるのはどんな方でしょうか?
タナカ:現代美術家の菅野歩美さんです。
Celeina:仲良くなった経緯は?
タナカ:もともと菅野さんの作品を知っていたんですが、僕が美術展を主催したときにロゴを依頼したのがきっかけです。油絵がルーツのデジタルアートを作っていて、しかもゲームエンジンを使って作品を作っているんですよ。
Celeina:面白そうですね。明日は現代美術家の菅野歩美さんに繋ぎます。「FIST BUMP」、本日お迎えしたのはゲームライターのタナカハルカさんでした。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann