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男らしさを考えた時に、頭に浮かんできた映画『ベイブ』
Celeina:そんな気になる『プルーストを読む生活』ですけれども、最近は他の作品も出されているんですね。
柿内:そうですね。今日タカノさんとCeleinaさんに持ってきたいなと思ったのが、『『ベイブ』論、あるいは父についての序論』 という本です。プルーストの本は出版社から出してもらったんですけど、この『ベイブ論』は自分で作った本です。『ベイブ』ってご存知ですか?
Celeina:可愛い子豚の映画ですよね。
柿内:そうです。一時期、「最近の男らしさってどうやって考えたらいいんだろう?」とかすごく悩んでいたんですよ。男らしさってよくないよね、と言いすぎても、男の僕が言うと「いや分かっていますよ。そういうのよくないですよね」という逆のマッチョな感じになるし、逆に居直って「俺は男らしくて何が悪いんだ」みたいな感じにすると、お前そんな風に開き直っていいのかみたいになるし。どう語っても楽しく喋れないし、どうしたらいいんだろうと考えていた時に、これは僕もなぜか分からないんですけど、『ベイブ』だって思ったんですよ。
タカノ:なぜだ!
Celeina:めっちゃ気になる!
柿内:子供の頃に『ベイブ』をよく見ていて、めっちゃ好きだったんです。よく分からないけれど、それが関係している気がしたので、男らしさを考えるために『ベイブ』を見ようと思って、繰り返し観たんですよ。書くために12回くらい見たんですけど、その中の4回は、倍速視聴の逆を行こうと思って、U-NEXTで0.6倍速で見ました。2時間の映画を4時間くらいかけてずっと見ながら、『ベイブ』について考えていました。
タカノ:それで発見はありましたか?
柿内:『ベイブ』を見てもよく分からないということが分かりました。
タカノ:分からなかったんですね! でも繋がっている部分はありますよね?
柿内:何故0.6倍速で見ていたかというと、ただひたすら見てスケッチするみたいに、映画の中で起こっていることを自分の考えを交えずに一旦書いてみようと思ったんです。なので、この『ベイブ論』って論と言いつつ、本編の半分くらいはずっと『ベイブ』の映画を小説みたいな感じで描写しているんです。それを何でやりたかったのかはよく分からなかったんですけど、やり終えて分かったのは、「ベイブがこういう風に振る舞っているのは、社会的にこういうような意味がある」みたいなことを言い出すと、男の子っぽいじゃないですか。
タカノ:メタ的な感じになっているんだ。
柿内:本当の今のいい父親像というのは、ただ見守るだけなんじゃないかと思って。とにかくただ見て、見たままを書くという風にすることで、『ベイブ』をいやらしくないタイプの父性で語れるんじゃないか、みたいなことをしたかった。
Celeina:『ベイブ』を語りながらも、この2024年の生き方みたいなものも同時に打ち出していくような形でしょうか?
柿内:そうです。
タカノ:どこで買えるのでしょうか?
柿内:結構色んなところで買えます。例えば、H.A.Bという本屋さんのオンラインストアがあるんですけど、そこでも買えます。そこで買うと、友田さんや僕や小野寺さんが寄稿している「H.A.Bノ冊子」という素敵な冊子も特典で付いてきます。
タカノ:今週の「FIST BUMP」オールスターみたいですね。チェックさせていただきます。
Celeina:そして柿内さんはPodcastもされていると伺いました。
タカノ:奥さんと一緒に喋っていませんでしたか?
柿内:そうです。自分の妻と一緒に喋っています。『ポイエティークRADIO』というPodcastを2020年の3月くらいに始めて、もう4年くらいやっています。
Celeina:どうりでお話しがお上手なわけですね。
柿内:いやいや。Podcastではしょうもない話しかしてないです。
タカノ:そこも含めて、ホッとしたい人とかいると思うので、ぜひぜひ、柿内さんのSNSをフォローしてください。色々活動されていますからね。
柿内:そうですね。見ていただきたいです。
Celeina:「FIST BUMP」本日は会社員で、文筆活動をされている柿内正午さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann