グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月5日は、作家で編集者の友田とんさんからの紹介で、会社員で文筆活動をされている柿内正午さんが登場。自著 『プルーストを読む生活』の執筆過程や、男らしさを考察した最新作『『ベイブ』論、あるいは父についての序論』について伺いました。
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文筆活動の原点は、小学生の時に書いていたブログ
Celeina(MC):作家で編集者の友田とんさんからのご紹介ということでお迎えしましたけれども、会社員をしながら文筆活動を行われているということで。文章はいつ頃から書かれていたんですか?
柿内:文章自体は小学生とかそのくらいからです。Seesaaブログとか、ブログサービスが始まっている時期だったので。
タカノ(MC):小学生からブログを書いていたんですか?
柿内:両親が書いていたので、じゃあなんか書くかと思って書いていました。家族や友人、みんながそのブログを読んでいた状態でした。
タカノ:どんなこと書かれていたんですか?
柿内:「冷蔵庫の中に何があるかめちゃくちゃ楽しみにして、開けてみたらヨーグルトしかなくてがっかりした」みたいなことを、すごく大仰な文章で書くことをしていました。それがめちゃくちゃ友達に評判が良くて。両親からは、そんなくだらないことを難しそうに書くんじゃないって不評だったんですけど。
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毎日の通勤時間で、世界一長い小説を読破
タカノ:そんな頃から文章書いていたということなんですけども、気になったのが、プルーストの『失われた時を求めて』を読み進める 1 年間を綴った 『プルーストを読む生活』。そもそもなんですけど、『失われた時を求めて』は読破されているんですか?
柿内:読破しました。
タカノ:すごいですよ。周りにいないです。めちゃめちゃ長いんですよ。
Celeina:どのくらい長いんですか?
柿内:文庫本だと、大体10冊分くらいです。ギネスブックにも載っているぐらい、世界一長い小説です。本好きはみんな老後に読みたい本にあげていますね。
Celeina:それを柿内さんは1年間で読まれたんですか?
柿内:丸1年、毎日の通勤電車で読んでいました。
タカノ:この方本当に凄いですよ。
Celeina:文章も難しかったりして、読み進めるのも結構大変ですか?
柿内:『百年の孤独』もそうですけど、難しいイメージが強すぎると思います。結局、小説は音楽と同じようにあんまり考えずに乗っちゃえば、結構楽しかったりします。
Celeina:『プルーストを読む生活』という本はどのような内容になっているのでしょうか?
柿内:通勤電車で毎日10ページでもいいからプルーストの『失われた時を求めて』を読もうというのを決めて、読みながら読書日記みたいな形で毎日日記を書いていたんです。日々本を読みながら、働いたり、何かを考えたりしている様子を書き溜めていたのがせっかくあったので、本にしてみた感じです。
Celeina:読書日記は、ブログにも通ずるものを感じます。
柿内:そうですね。その延長でやっていましたね。
タカノ:結構ストイックな行為ですよね。
柿内:日記も毎日書くとなるとストイックに思われがちなんですけど、楽しく読んで、「ここアガった!」みたいなのを書いているだけだったんです。実はプルーストを読んでいた時、プルースト以外の本も一緒に読んでいたので、『プルーストを読む生活』と言いつつ、別の本の話ばかりしています。
Celeina:マッシュアップしているような感じもあって?
柿内:そうです。本当にそんな感じです。