グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
5月20日は、番組からの推薦で砂場研究家のどろだんご先生が登場。砂場研究家となった意外なきっかけや奥深い砂場の研究、そして名前の由来にもなっている「どろだんご」についてお聞きしました。
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100万円を握りしめて砂場を巡るヨーロッパの旅へ
Celeina(MC):今日登場してくれるのは、番組からの推薦で、砂場研究家のどろだんご先生です。
タカノ(MC):どろだんご先生とは以前お会いしたことがあるのですが、お話がすごく面白くて、その時からすごく気になっています。どろだんご先生は、砂場の研究をされているそうですが、公園にある砂場のことでしょうか?
どろだんご先生:はい。プレイグラウンドにあるサンドボックスのことです。
Celeina:大人になるとなかなか行く機会も減ってしまいました。
タカノ:研究をするようになったきっかけは何だったのでしょうか?
どろだんご先生:保育園の園庭を作ることがきっかけで砂場に出会いました。2019年に研究を始めてから少し経った時に、前澤友作さんが「月に行くならお年玉」と言って、100人に100万円をお年玉としてプレゼントするという企画があったんです。その時に、「ぜひ砂場の研究に使ってください。僕も久しぶりに砂場で遊びたいな」と100万円をポンと支援してくださいました。
Celeina:当選した方に初めて会いました。そこでさらに研究にも熱が入りますよね。
どろだんご先生:その100万円を握りしめて、砂場を巡る旅に出かけたんですよ。ヨーロッパのデンマーク、オランダ、ドイツ、ベルギーなどを順に、ホテルには一切泊まらず現地の方の家に泊めていただいていました。というのも、現地のリアルな生活や教育などのカルチャーを見ないと公園ってわからないんです。旅をしながら砂場を見て回って、日本に帰ってきた時に、これはアウトプットしていかないといけないなと思いました。それがきっかけになって砂場研究家としてやっていくことを決めました。
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砂質も設計も異なる、日本とヨーロッパの砂場
タカノ:ヨーロッパの砂場は日本と違うんですか?
どろだんご先生:そうなんですよ。今日はサンプルを持ってきました。
タカノ:試験官がたくさん並んでいますが、ここにはいろんなタイプの砂が入っているんでしょうか?
Celeina:理科の実験室みたいですよ。
どろだんご先生:例えば、これはベルギーの公園の砂場の砂です。
Celeina:さらさらしていますね。
どろだんご先生:そして、こちらが日本の典型的な砂場の粒子です。見比べてみてください。
Celeina:全然違います! 日本の砂場の砂はとても粗いけど、ベルギーの砂は音が鳴らないぐらいサラサラしています。
どろだんご先生:圧倒的に砂粒の大きさが違うんですよ。本来0.075ミリから2ミリまでの粒子のことを砂と呼ぶんですが、日本のほうは、砂ではなく礫(れき)という粒子になるんです。
タカノ:じゃあ、日本は砂場じゃなくて礫場ということになるんですか?
どろだんご先生:はい、礫場になっているんです。完全な砂だけになっていなくて、一部に礫が入っているという現状です。
タカノ:ベルギーの砂は、色も見た目もテーブルコショウのような感じで、日本の砂は、粗引きコショウよりもちょっと大きいくらいですよね。大きさやサラサラ感が全然違います。
どろだんご先生:砂の粒子だけでなく、砂場の設計も違うんです。1番の違いは、砂場の中に水道があったりするんですよ。日本の公園は入口にしか水道がなくて、そこまで水を汲みに行って砂場に持ってくるじゃないですか。でも、砂場で遊ぶためには水が必要なので、砂場の中に水が出る装置があったりして、設計に遊び方がきちんと落とし込まれているんですよ。
Celeina:砂場の研究というのは、具体的にどんな研究をされているのでしょうか?
どろだんご先生:砂場の設計や粒子、海砂、川砂、山砂など、どんな砂を入れるか、雨で汚れが流れる設計にするためにはどうしたらいいか。あとは、子どもの空間把握能力は想像力の一部だと言われていますが、砂場が好きで遊んでいるかどうかによって、想像力の差が出るかというスコアの調査をして、論文を書くための研究データを集めたりしています。
Celeina:奥深いですね、砂場の世界。
タカノ:水はけのよさも、関係があったりするんですか? それによって、清潔度が変わるような。
どろだんご先生:あります。衛生管理をきちんとするには、雨水でちゃんと汚れが下に抜けるようになっているかが大事です。コンクリートのプールになって菌が繁殖している砂場もあるし、逆にクリーンに循環している砂場もあるので、菌数などをチェックしています。