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特殊なのに気づかない、漫画特有のフォント
Celeina:知らない世界なのに、日々お世話になっているなと感じました。西塚さんは昨年末に、新しいフォントをリリースされたとお聞きしています。
西塚:漫画専用の『貂明朝アンチック」というフォントを発表しました。皆さん漫画を読まれると思うんですが、漫画の書体はすごく特殊で小説などには絶対に使われないフォントなんですよ。
Celeina:文字がエモーションな感じ? どのような書体なんですか?
西塚:漢字が「ゴシック」で、かなが横太の「明朝体」になっているんです。
タカノ:えぇ! ミックスなんですね⁉ 皆さんお手元の漫画でチェックしてみてください。
Celeina:このフォントにすることでどのような効果があるんですか?
西塚:絵の濃さに対して、フォントが負けないんだと思います。吹き出しの中の余白にマッチするので、読みやすいんじゃないかなと。すごく特殊にもかかわらず、自然に読めてしまう漫画特有のフォントが面白いなと思って、開発しました。
「アンチック」はかなのスタイルのことを意味する言葉なんですが、昔は「ゴシック」を意味する「ゴチ」から「アンチゴチ」と呼ばれていたんです。こういう漢字とかなのフォントは、おそらく1950、1960年代から段々と定着してきた歴史のある組み合わせなんですよね。
タカノ:フォントに興味が湧いてきました。身の回りの文字をチェックしてしまいそうです。
Celeina:「貂明朝アンチック」は現在アドビで使えるんですよね?
西塚:アドビ以外でもフォントをダウンロードしていただければ、無料でお使いいただけます。
Celeina:フォント好きの皆様はチェックしてみてください。さて、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいているのですが、西塚さんがご紹介してくださるのはどんな方ですか?
西塚:漫画家の北村みなみさんです。
Celeina:一言で表すと、どんな方ですか?
西塚:パラレルワールドの住人の漫画家さんです。漫画の世界観がすごく素敵なんですよ。
Celeina:良いですね。今日はアドビのタイプフェイスデザイナーの西塚涼子さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann