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漫画家・魚豊とは趣味の合う友達のような感覚で知り合った
タカノ:『チ。―地球の運動について―』や『ようこそ!FACT(東京 S 区第二支部)へ』は僕も全部読んでいて、面白くて最高なんですが、この2つも魚豊先生と千代田さんが相談しながら作っていったんでしょうか?
千代田:魚豊先生の場合は、ご自身の中に物語の骨格みたいなものがかなりしっかりとあったので、僕は「ここをこうした方が」とか「方向性変えた方が」というレベルではほとんど話していないです。各話の細かいところや、テーマについての雑談みたいなものの相手になったというぐらいなので、本当に魚豊先生の才能のおかげだなと思っています。打ち合わせを毎週重ねて、作り上げていった作品です。
タカノ:最初の出会いからビジネスパートナーのようになるまでの間に、友達みたいな期間があったんですよね?
千代田:魚豊先生は前作の『ひゃくえむ。』という漫画を講談社さんで描かれていたんですが、それがめちゃくちゃ面白くて。TwitterのDMを開放されていたので、一緒にやりたいですと連絡しました。半年ぐらい経ってからお会いした時には、まだ漫画の影も形もないみたいな状態だったんですが、好きなバンドの話になった時に、魚豊先生がamazarashiが好きだという情報を知って、僕もめちゃくちゃ好きですというお話しをしたりしました。
あと4〜5年くらい前なんですが、お互いPK Shampooというバンドが好きだという話で盛り上がりました。今でこそPK Shampooはめっちゃきているバンドなんですけど、当時はまだ聴いている人が少なかったので、「PK Shampooを知っている人に初めて出会いました。今度一緒にライブ行きましょうよ」みたいな感じで。最初は音楽とかも趣味が合う友達みたいな感じで知り合ったし、2回目に会った時はHave a Nice Day!のライブに一緒に行って、そのライブ終わりに近所の寿司屋で僕が朝まで当時の恋愛事情をひたすら話していました。
Celeina:もうお友達じゃないですか!
千代田:本当に初手でいきなり6時間ぐらい貴重な頭脳をお借りして、恋愛相談をしていました(笑)。かなり友達に近い感覚で知り合った作家さんでしたね。
タカノ:感性が合うとかって、1つの作品を作るパートナーとしてめちゃくちゃ大事なことですからね。
千代田:そうですね。やっぱり感性がずれていると、その価値観のすり合わせにすごい時間がかかったりします。これはかっこいいよね、いやそうですよね、みたいな感じで、スルスルと進んでいったのはすごくラッキーだったなと思います。
タカノ:先ほど音楽の話もちょっと出ましたけれども、1曲千代田さんに選曲していただいたので、曲紹介をお願いしていいでしょうか。
千代田:PK Shampooの”学生街全能幻想”という曲をお願いします。