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作家・鈴木みのりは、アイドルを楽しく応援するためにフェミニズムの視点で捉え直す

2024.6.24

#BOOK

雑誌の特集を作るきっかけにもなったSHINeeに注目

タカノ:書評や映画評のかたわら、小説もお書きになられているということですが、最新作はどんなお話なんでしょうか。

鈴木:2023年に文芸誌『すばる』の8月号で、『トランジット』という小説を書いたんです。説明が難しいので『すばる』からの説明を読み上げると、「化粧品製造販売会社の商品企画部で働く芙美はいくつかのSNSのアカウントをフォローしている。自分の別バージョンと思えるような人の投稿を読めば、自己嫌悪が誘発されることはわかっているのに開いてしまう」。そういう小説を書いたんだという感じですね(笑)。

Celeina:自分で書いたものって客観視するのが難しかったりしますよね。

鈴木:登場人物が何人か出てきて視点が入れ替わるので、まとめるのが難しいなと思っていたんですけど、1人の登場人物の視点からこういう紹介をしてくれたので、これを公式の紹介にしようと思います。

Celeina:最近は心が辛くなるようなニュースも多いですけれども、そんな中でみのりさんが注目されているエンタメ、カルチャーはありますか?

鈴木:わたしは日本語の情報を得たりエンタメや文化を消費したりするのがちょっと疲れてきているので、海外の作品を楽しむ機会が増えているんですが、この「アイドル、労働、リップ」という特集を作ったきっかけの1つでもあるSHINeeが好きですね。K-POPのアイドルも、労働環境や契約のことが色々と大変で、それがファンにも見えてきているんです。単に楽しむということだけじゃなくて、応援する時、楽しむ時に色んなことを考えさせてくれるきっかけをくれたグループです。2月に東京ドームでのコンサートがあって、3月にはデビュー15周年企画記念した映画が日本でも公開されるので楽しみです。

Celeina:テンション上がりますか?

鈴木:泣きそうな気持ちにもなるんですよね。引き裂かれるような感情を喚起してくれるグループですね。

タカノ:この流れでみのりさんが選んだ、この時間にみんなで一緒に聴きたい曲を流しましょうか。

鈴木:SHINeeのジョンヒョンさんという方が、実はお亡くなりになっているんです。ジョンヒョンさんとも一緒にお仕事をされたことがあるIUさんの曲で、勝手な推測になるんですけど、その死を悼んで歌った曲なんだと思っています。明るい気持ちにもなるし、引き裂かれるような感情も生まれるこの曲を選びました。IUで”Blueming”。

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